５月27日に福岡地裁より破産開始決定を受けた （株）カネモリ（本社：福岡市中央区港1丁目2－21、山﨑勝弘代表）。1968年10月創業、74年７月設立した同社はさつま揚げや魚のすり身の天ぷら、蒲鉾の製造の県内最大手企業で、九州各地のスーパーマーケット、ディスカウントストアなど向けに商品を製造していた。ピーク時の2009年６月期には売上高約26億円、経常利益約1,500万円を計上する企業だったが、ピークから４年経った今年４月８日に突如事業停止したことで、関係者を驚愕させた。「これは予想してなかった」と債権者も驚きを隠せなかった。
長引く不況とデフレ化で、各種小売業ではメーカーや卸業者に対して製品の単価値下げを要請している。同社の主力商品であるさつま揚げや魚のすり身の天ぷらなどの「和日配（わにっぱい）食品」と呼ばれる水産練物製品は需要自体も減少傾向にあったが、同社は県内最大手企業として、ピーク時の翌期となる2010年６月期決算でも売上高約23億円、経常利益約2,400万円を残す奮闘ぶりを見せていた。
だが、その後、ある地場スーパーに卸した商品のなかから大腸菌群が発見されたことで商品回収となったほか、契約を打ち切られたことで年間２億円程度の売上高がなくなった。この商品回収による契約打ち切りが同社にとって痛手になった模様。その後、人員削減、給与カットなどのリストラを行なったものの、11年６月期以降、売上自体が落ち込んだこともあり、今回の措置となったようだ。（詳細は後日、日刊マックス流通ニュースにて連載します）
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