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商業施設激戦区、大阪 新施設誕生の影響は?(2)
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2013年7月31日 07:00

<苦戦するJR大阪三越伊勢丹>
JRmitukosiisetan.jpg 2011年5月、JR大阪駅内にJR大阪三越伊勢丹がオープンした。オープン当日の来場者数は27万人、至るところで行列を見かけるなど絶好のスタートを切っていた。当時は高い動員力で注目された伊勢丹だったが、2年が経過し現在では、オープン当初の活気は見られなかった。最も活気のあるはずの夕方の地下食品売り場でゆっくりと買い物ができるほど、人の入りが少なく、苦戦している様子がうかがわれた。

 買い物はいつも梅田周辺でするという大阪市在住30代女性は、「伊勢丹には東京の風が吹きすぎていると思う。地元の百貨店で慣れ親しんで買い物をしてきたので、何か違和感がある」と話す。
 絶大な集客を誇っていたオープン当初から、一部では伊勢丹の高級路線を指し「あのスタイルがこちらで受け入れられるか」という声が聞かれていたが、その予想は的中したともいえるだろう。

 もともと、地元百貨店は地元客の心をつかんでいた。三越伊勢丹の開業時は、阪急うめだ本店が約7年に及ぶ大建て替え工事の真っ最中。限られた状況で営業を行なっていた。よりパワーアップした阪急うめだ本店が開業したわけだが、やはり長年の地元ブランドは有力で、「百貨店で買物するときは阪急が多い」という消費者は多いようだ。

JRmitukosiisetan_2.jpg 独自の高級路線を強く打ち出し、強気の出店を行なった三越伊勢丹は大阪ではなかなか受けいれられなかった。13年3月期にJR西日本は、JR大阪三越伊勢丹の不振により、減損処理を行なっており、188億円の特別損失を計上している。また、15年春に改装を計画している。

 オープンから2年経過し、阪急うめだ店の改装オープン、グランフロント大阪の開業などが相次いで、店舗を取り巻く環境は刻々と変化している。15年春の改装時には、日本初出店の専門店テナント誘致を行ない、集客拡大を目指す。
 次の改装では、地元顧客の心をしっかりつかむことと、周辺商業施設との差別化ができるかどうかが、生き残りのカギとなるだろう。

(つづく)
【柚木 聡美】

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