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【流通】家電量販店から食品スーパーへ、変貌するDSの雄MrMax(5)
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2013年7月16日 12:09

 (株)MrMaxは2011年3月期に売上高の計上方法を変更し、生鮮4品業者などのテナント売上高や消化仕入を売上から除外した。そのため同期は売上高が1,039億1,800万円、前年同期比0.4%増と、ほとんど伸びなかった。さらに、資産除去債務に関する会計基準の適用により、当期純利益は1,800万円、前年同期比97.9%減と大幅減益となった。財務の体質改善により膿を出し切った後は、同期を境に利益率は低調ながらも黒字経営となっている。

<積極出店にともない借入増>
MrMax_s.jpg 資産除去債務に関する会計基準が適用されるようになった11年3月期以降は、12年3月期の売上高が1,069億7,500万円で当期純利益3億2,800万円、13年3月期は売上高1,061億7,000万円で当期純利益2億5,600万円となった。売上高はほぼ横ばいだが、利益率は前期と比べれば大幅に改善された。

 自己資本比率は、2012年3月期は29.3%だったが13年3月期には28.8%と0.5%悪化。純資産に変動はないものの、借入額が増加した影響で総資本額が増加したことにともなうものである。流動比率も13年3月期は49.83%と前期の51.16%より悪化。長期固定適合率も12年3月期の128.05%から13年3月期は129.76%と1.71%悪化している。

 また、13年3月期の長期、短期を合わせた有利子負債の合計は276億7,500万円と前年同期比で9.59%増となった。これにより有利子負債月商換算でも12年3月期の2.83カ月から3.12カ月となった。これまでは財務を優先する守りの姿勢を取ることで、3カ月以上は超えないように配慮していると見られていたが、今期は新店オープンが複数控えているのに加えて、既存店改装を行なうなど積極投資を行なうことで有利子負債も増加している。さらに返済義務のある有利子負債などが、返済義務のない株主資本でカバーされているかを示す指標であるデット・エクイティ・レシオが1.28(13年3月期)となり、11年3月期の1.14、12年3月期の1.16から0.12ポイント増加。積極出店により有利子負債が増加傾向にある。

 ディスカウントストア(以下、DS)が生鮮4品を導入することが当たり前の時代になり、小売業のあり方が大きく変わりつつある。小売業は、電気代の値上げ、原料高騰にともなう商品価格の値上げという逆風が吹き荒れているが、価格優位性の強いディスカウントストアは来年4月に消費税アップとなっても、SM業態よりも優位に立つと見る業界関係者は多い。DS企業が積極展開する背景には、ある程度勝算が見込めるということがある。DSの老舗企業である同社の今後の動向に注目が集まりそうだ。

(了)
【矢野 寛之】

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