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別府市政を追う~浜田長期政権から立ち上る黒い煙(中)
政治
2013年8月10日 07:00

<原本不実記録、詐欺の疑いで逮捕>
浜田博 別府市と近隣2町村で構成する「別杵・速見・広域市町村圏事務組合」がある。管理者は浜田博市長。組合が管理するゴミ焼却場に、藤ヶ谷清掃センター(別府市大字平道)がある。組合は08年2月、藤ヶ谷清掃センターの焼却炉の老朽化が進んでいたことから、DBO(Design Build Operate)方式での改築更新を決定した。事業費約247億円(予算額)、契約期間15年間の大型事業だった。

 組合は事業者選定に際し、選定委員会を設置。会長は友永別府市副市長。08年12月に最初の入札が行なわれたが、参加表明グループすべての辞退により中止。09年8月に再度入札を行ない、4グループが応札した。同委が各提案を審査した結果、09年12月、日立造船(株)グループを落札者(入札価格198億7,000万円)に決めた。

 入札結果をめぐっては、組合に対し、他グループや別府市議が「審査に疑問がある」として提案内容や審査基準の公開などを求めるなど紛糾。これに対し、組合は10年2月、「(審査内容は)秘密情報であり、公表しない」ことを表明。すべてが闇のまま幕引きとなった。なお、改築更新工事の完了は14年の予定だ。

 清掃センター改築更新事業の裏でも、水永氏が動いていた。落札者決定後、水永氏は指定暴力団山口組系関係者らとともにセンターに出入りし、当時焼却業務を受託していた三菱重工系の九州重環オペレーション(株)(JKO)の従業員と接触。センター内に労組九州JKO分会を結成させる。労組結成後、この組合員を引き抜くかたちで別府環境エンジニアリング(株)(以下、別府環境)を新たに設立。JKOを抜け殻にし、焼却業務受託の既成事実化を図った。組合は、このJKOが業務継続不可能として、別府環境と随意契約を締結。同社に受託業務を引き継がせた。委託費は年間1億6,000万円。水永氏は、同氏を特別顧問相談役とし、同分会が毎月100万円の顧問料を支払う覚書なども交わした。

 市長の後援会幹部を名乗る人物が暴力団と組んで公的業務を乗っ取ったとして、市長との関係について複数の別府市議が追求したが、市長は「事実無根」を主張した。水永氏らは、別府環境設立の際、借入金300万円を見せ金に株式払込みを偽装。発起人が設立時発行株式を引き受けた事実がないのに、行政書士に定款作成を依頼。設立登記として「発行済株式300株」「資本金300万円」などと登記申請、受理させた。水永氏は13年2月、電磁的公正証書原本不実記録などの疑いで、大分県警に逮捕(再逮捕)された。前の逮捕については後述する。

 08年6月、水永氏らは、12年11月に破産した(株)さとうベネックが宅地開発した「スパランド豊海」内に土地を所有する別府市の男性と接触。土地を市に寄付したい男性に対し、市長後援会幹部として、土地の処分に関する委任状をとりつける。その後、水永氏は松山市の別の男性と大分市内で面会。やはり後援会幹部として、同土地の買取りを持ちかけ、700万円を現金で受け取る。その一方、別府市に対し、同土地の購入を働きかける。その際、「上(市長)とは話がついている」などと説明。市は08年12月、土地所有者に確認することもなく、市道に隣接する1,850m2分の購入などを決め、水永氏に対し、振込ではなく現金510万円を手わたす。所有権移転にともなう登記申請は市職員が行なった。その際、所有者の氏名を誤記、訂正するという失態も犯しているという。

 12年1月、返済がないことを不審に思った松山市の男性が、市に対し質問状を送付。別府市の男性から市に対し、水永氏に売買を委託した覚えはない旨の問い合わせもあったという。大分県警は13年1月、700万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで水永氏を逮捕した。

 市長は、土地買収について「担当者からは正規の手続きで購入したと聞いている」と説明。「水永氏とは1年以上会っていない」などと述べ、この件でも関与を否定したが、事件があったのは約4年前。逆に、事件当時は会っていたことを認めたことになる。

(つづく)

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