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コダマの核心

極限の経営理念の落とし込み、顧客のクレーム情報の大胆な共有~(株)久原本家グループ本社
コダマの核心
2013年8月23日 11:59

<注文の遅延処理>
ごはん家 椒房庵 7月21日は、参議院選挙の投開票日であった。夜6時、筆者は記者と2人で、ある立候補者の選挙事務所に向かっていた。「7時半までには行こう!!食事をするか」とJR博多シティにある「ごはん家椒房庵」に立ち寄った。「7時までにこの店を出れば間に合うな」と記者と確認して、定番のメニューを注文した。店の客の入りはまだ6割程度で、大混雑というほどのことではなかった。「待ち時間は15分程度で済むか」という軽い判断をしていた。
 記者と雑談していて、気づくと20分が経過している。「これは遅れるな」と危惧して、注文を急がせた。そのときの女性スタッフの対応の鈍さに、こちらとしては意外感を抱いた。「あれ?椒房庵の社員教育はこんなレベルではないはずだが――」。厳しく催促して注文の品が届き、こちらは慌ただしく食べて取材現地に向かう用意をしていた。そのとき、察知した店長がやって来て、陳謝するとともに名刺を指し出してきた。それで名刺交換して立ち去った。

 それから1週間が経過して、店長からお詫びのはがきが届いた。文中には、料理の遅れを詫びて問題改善に取り組むことの決意が書かれてあった。それを読んで、「たしかにパートのスタッフに多少の教育の不徹底はあるだろう。しかし、さすが椒房庵さんだ。店長の教育はしっかりしているな」と感服した。いや、感服したというよりも、以前から同社に尊敬の念を抱いていたレベルが保たれていることを再確認できて、安堵したのである。

<河邉社長自らの手紙には驚愕>
tegami_s.jpg それから、また1週間が経過しただろうか。8月8日付で、河邉哲司社長自らの手紙が届いたことには本当に仰天した。東京を含めて全国を駆けめぐる多忙な河邉社長の耳元に、たかが注文遅れのクレームにもならない程度の情報が伝わることに驚愕したのである。そして、自らの直筆でお詫び文を送るという行為には、すっかり感動させられた。まさしく『顧客のクレームに向き合ってこそ信頼を勝ち取れる』理念を実践しているのである!!

 久原本家グループ本社に精通している経営者に尋ねてみた。
 「コダマさん!!聞くところによるとあの会社の幹部会では、クレーム情報の提出が義務付けられているそうな。グループ企業4、5社に分けられていると思うが、全社から強制的にクレーム情報を吸い上げていくシステムが構築されているようだ。そして、クレーム処理の顛末までチェックする体制になっている。結果として、人事評価査定までたどりつくようになっているとか。クレーム情報を幹部会で共有できるなんて、我が社では考えられないことだ。各部門・セクションで情報をしまい込んでいるのが情けない現実だな」と自社の嘆き節まで付加された。

kawabe.jpg この話を聞いて、改めて久原本家グループを見直した。再評価したのである。弊社に置き換えてみても、なかなか社員間の情報共有は難儀だ。情報会社であるから、仕事上の情報共有はシステム化している自負はある。ところが、仕事のチョンボ、クレームなどのマイナス情報に関しては、各事業部に秘匿する傾向がある。この現実に直面しつつ、久原本家グループのクレーム情報の共有化のレベルの高さには、感服するしかないのだ。

【児玉 直】

▼関連リンク
・久原本家グループ

<COMPANEY INFORMATION>
(株)久原本家グループ
代表者:河邉 哲司
創 業:1893年
所在地:福岡県糟屋郡久山町大字猪野1442番
TEL:092-976-2000(代)
FAX:092-976-3155


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