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【流通】スマホアプリ「WEAR」がもたらす顧客創造時代(3)
流通
2013年11月 7日 07:00

<地場の百貨店やデベロッパーは様子見の状態>
 地場の百貨店やショッピングセンターでは、どれぐらいのブランドが競合するか。ホームページから概算すると、いちばん少ない天神ビブレが4、ヴィオロが8、岩田屋、福岡パルコが10程度。しかし、イムズ、ソラリアプラザは15を超え、キャナルシティ博多、アミュプラザ博多はそれぞれ20以上と、かなり競合する。
 ショールーミングアプリの影響は少なくなさそうだ。そこで各社はこうしたゾゾタウンのサービスをどうとらえているのか。Net-IBでは、上記各社に簡単なアンケートをとり、広報担当から以下のような回答を得ることができた。(社名の詳細は非公開)

ph5.jpg 「状況が見えないので、現状では判断ができない」(デベロッパー2社)、「他社のサービスに当社として口出しはできない」(百貨店)、「写真撮影禁止のルールを適用しながら、様子を見る」(デベロッパー)
 総じてWEAR対策は現行ルールで対応し、売上げの状況を見ていくしかないというのが共通認識のようだ。でも、WEARはショールーミングアプリの一つに過ぎず、他にも同じような機能をもつアプリはこれからいくらも登場しそうである。
 消費者がスマートフォンでWeb上からどんどんダウンロードすれば、加速度的にEコマースに浸透し、定着していくのは間違いない。あからさまに対策を口にするのは、テナントとの確執を生むかもしれないから、口にできない気持ちはわかる。
 しかし、ショールーミングアプリが各消費者のスマホに常備されれば、百貨店やショッピングセンターの売上げが吸い上げられるのは間違いない。そうなった時、まだ「対面販売における接客のスキルを磨く」「実店舗、現物商品にしかない良さを伝える」などと、悠長なことを言ってられるのだろうか。

<流通業界で望まれる早急なルール作り>
ph6.jpg ここから先は技術革新と法律との解釈論に踏み込まざるを得ない。米国でショールーミングアプリが認められている背景には、商法上「商品の所有権は商業者=テナントに認められている」という解釈に基づくものだ。
 つまり、所有権を有しないデベロッパーが所有権者の合意なく販売を制限することはできないのである。日本の商法も、独立した商業者の営業について不当な扱いをしてはならないという点では共通する。
 どちらにしても、解決すべき法律が時代に追いついていないのだ。だから、百貨店は納入ブランドに対する仕入れ契約を見直さなければならないし、デベロッパーはテナントの出店条項を改定するなど、きちんとしたルール作りが求められる。
 福岡は全国有数の商業都市であり、地場経済は「ものを売って成り立っている」と言われている。そこに立地や場所を超えて買い物ができるネット通販が台頭し、さらに追い風をもたらすショールーミングアプリの登場は、この街の経済基盤を揺るがしかねない。
 ただ、その際、百貨店やデベロッパーがそれぞれの利害のみで行動し、対策の内容に各社でバラツキがあれば、顧客はより有利なところに流れるのは間違いない。そうなれば手遅れになる。流通、関連業界全体で早急にルール作りを行う必要があるだろう。

(つづく)
【釼 英雄】

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