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物流の歴史からひも解く福岡経済(中)~大高建設(株)・大木代表
特別取材
2013年10月25日 07:00

<流通センターの再構築が急務>
 ──地味な業界ですが、地域経済の発展には欠かせない存在であることを、改めて知ることができました。センター建設においては、特区としての位置づけであったと同時に、制約も存在しました。

o-taka.jpg 大木孝朋氏(以下、大木) 流通センターの建設は、当時の建設・運輸・通産・農林水産・経済企画(庁)の5省が関わる法律、「流通業務市街地整備法(正式名:流通業務市街地の整備に関する法律1966年制定)」によって定められております。この法律は、流通の業務が行なわれる施設の計画的な立地を推し進めることで、流通の機能を向上させ、道路の交通の円滑化を図るための法律です。よって、センターの施設を建設するための規制は緩和されておりました。たとえば容積率ですが、工業地区や準工業地区の200%に対し、流通業務地区は300%まで認められるなど、いわば『特区』のはしりでした。

 その一方で、センターの流通業務以外の施設の建設における規制はあります。たとえば宿泊する施設は、センターで働く人々の仮眠対象の施設は許可されるのですが、社宅および一般の人々を対象にした宿泊施設の建設は認められないなどの規制が発生するのです。これが今になって裏目となっておりまして、規制の見直しを要望されているのですが、うまくいかないですね。センターの人々の福利厚生は認められますが、小売業店舗のほか、一般使用の施設の建設は難しいのです。センター内の事業体は運輸、卸、倉庫の3分野が機能しておりますが、時代の変化とともに各団地がそれぞれの課題を抱えていると思います。

 その結果、卸団地からは九州大手卸問屋の多くが去っていきました。バブル期以降の平成の時代に入ってから流通のシステムが変わってしまい、地元の百貨店の岩田屋・玉屋の業績がきびしくなるなど、流通の業界が不振になったのだと思います。
 このように、流通センターは20年余りという短い最盛期であったように思えますが、福岡地区における物流、流通業界の発展に貢献されたことは間違いありません。近年、各団地組合がそれぞれの産業のなかで、多の津流通センターをどう活性化し位置づけていくかは、検討され実行されてることと思い、期待しております。

 ──卸売りの低迷で、流通の拠点という機能が低下しました。多の津はアクセスの面で良好な土地ではありますが、法的な規制があり、苦慮させております。

 大木 そうです、福岡市の東部地区においては、多の津は要所であります。これだけの流通センターを、違うかたちで再興できないものかと商業施設の建設などを提言しているのですが、先に述べた通り、流通業務市街地整備法の規制がネックとなっており、規制緩和の対象にされることを望んでいます。福岡市内に位置し、アクセスに恵まれている「福岡流通センター」がもっと多用途の地区に生まれ変わることは、地域の機運が高まり、当然、経済面でもプラスに作用することが予想されます。

 児玉さんがおっしゃる通り、ここは交通面でのアクセスが良好です。流通センターにこだわるより、新たな産業を据えることで、多の津地区は生まれ変わるでしょう。そして、福岡の発展にも貢献すると予想されます。空洞化することもあり得る流通センターを、都市機能の再構築プランとして、国・県・市も取り組むべきではないでしょうか。

 福岡の西部地区は、近年において発展してきております。東部地区においても、千早地区などの再開発が実施されているのですが、多の津という要所をもっと有効に活用していくことを、街づくりの計画で実施すべきであると思います。

(つづく)
【文・構成:河原 清明】

≪ (前) | (後) ≫

<COMPANY INFORMATION>
代 表:大木 孝朋(会長)
     大木 孝一郎(社長)
所在地:福岡市博多区上牟田1-29-6
設 立:1975年3月
資本金:9,500万円
業 種:総合建設業
URL:http://www.o-taka.com/


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