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3法施行で出店困難に 避けられない成長力低下 (株)イズミ(1) |流通大競争時代
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2007年12月20日 18:05

 イズミの出店戦略が曲がり角を迎えている。九州で計画していた大型商業施設「ゆめタウン」が相次いで出店断念に追い込まれた。

 11月からの改正まちづくり3法の施行で大型施設の新規出店は困難になる。ゆめタウンに代わる新業態の展開もメドが立ってない。出店が足踏みするようだと、中期的な企業成長にブレーキがかかる恐れがある。

別府は最後の大型店か?

 11月29日、別府市楠町にオープンしたゆめタウン別府。出店の賛否をめぐって地元政治・経済界が真っぷたつに分かれ、推進派の現職市長が辞任し反対派候補とやり直し市長選まで繰り広げた。27日の開業記念式典には反対派の急先鋒だった別府商工会議所首脳らも顔を見せ、新店の門出を祝った。

 ゆめタウン別府は総工費73億円をかけ、国道10号線沿いの楠港埋立跡地に建設。建物は地下1階、地上5階で、売場は地上1~3階を使用し面積は2万1,000㎡。イズミを核店舗に108のテナントが入り、年間800万人の来店客と140億円の売上を見込む。

 地元政治・経済界を二分する争いにまで発展したのは、ゆめタウンが開業すると、10号線をはさんで向き合うトキハ別府店に大きな影響を与えるのが必至のためだ。業績不振に苦しむトキハは、商工会議所や市会議員を動かし反対運動を展開。市長選では、これに地元商店を支持基盤とする共産党が相乗りし、自民党非主流派と社民党が推す現職と対決するというねじれ選挙になった。

島原、諫早は断念

 別府では“民意”の支持を得て開業にこぎつけたイズミだが、九州各地で出店反対運動に遭遇し、長崎県島原市と諫早市では断念に追い込まれた。島原店は、沿岸部を走る国道251号線に近い農地の約9万2,000㎡に売場面積2万2,000㎡の施設を計画していたが、地元商工会議所などの商業団体がこぞって反対。イズミは6月、事実上の撤退を市に表明した。出店するには、農業振興地域から除外する手続きをとる必要があるが、市の許可が難しいと判断した模様だ。 

 諫早市でも10月、断念を余儀なくされた。貝津地区の約6万7,700㎡の敷地に、3階建て延べ床面積5万8,000㎡のショッピングセンターを出す計画だった。長崎県は「予定地は(開発が制限されている)市街化調整区域で出店は困難」と、開発手続きの前提となる「事前審査会」も開かず、門前払いした。イズミは改正まちづくりを前に撤退を正式に市側に伝えた。

 鹿児島市でも出店は暗礁に乗り上げている。当初、10月東開町にオープンしたイオン鹿児島ショッピングセンターの隣接地に計画していたが、用地の確保でイオンに先を越され、事実上の断念に追い込まれた。同社は「鹿児島出店はあきらめたわけではない」としているが、3法施行で困難になった。

 改正まちづくり3法は、売場面積1万㎡超の郊外型SCの出店を規制するもので、都市計画法の「工業」「第2種住居」「準住居」の3つの用途地域に定められた地域には、原則として出店ができなくなる。

 3法施行は、大型SCの展開で業績を拡大してきたイズミの成長戦略の足かせになる恐れが強い。同社は出店計画を明らかにしてないが、別府店が九州における最後の大型SCになる可能性が高い。3法施行を機に、同社と九州各地で激しい出店競争を繰り広げてきたイオングループと、店舗開発力の差が鮮明になっている。

 イオングループは傘下にデベロッパー会社を抱える強みで、3法施行下でも地元支援で出店可能な物件を抱える。商店街の抵抗で難航していた大牟田市では、地元自治体が「市経済活性化の切札になる」としてイオン進出を全面支援。福岡県もこれを受け、大牟田市が大型SCの進出が可能になるよう求めていた都市計画案の変更に同意し、出店を事実上了承した。大牟田店が開業すると、ゆめタウン大牟田の打撃は必至だ。

 イオンは筑紫野市でも計画を有利に進めている。イオンモールが九州自動車道筑紫野ICに近い12万㎡の敷地に計画しているもので、県は開発を許可済み。開業すると、1㎞も離れてないゆめタウン筑紫野とモロにぶつかる。

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