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直撃インタビュー

気鋭のジャーナリスト・上杉隆氏が語る2011年の日本(2)
直撃インタビュー
2010年12月29日 08:00

不自由の鎖につながれた日本 立ち遅れている政治とメディア

<失敗明白の地デジ化 次期首相は誰に>

 ―2011年、とくに注目しておきたいことをあえて挙げるとすれば何でしょうか。

上杉 隆氏 上杉 やはり、7月24日停波の地デジ化がどうなるかですね。日本全国、この日にアナログ波が強制停波になるわけです。しかし、この強制停波という政策はすでに失敗していることがわかってしまっています。当初は完全停波によって需要を興し、大規模な景気対策にするという小渕政権時代の狙いがあったのですが、当時と現在では、通信と放送のシステムの差などがまったく違っていたわけです。

 たとえば、当時は通信より放送の方が伝送許容量が大きかったけれど、いまや完全に肩を並べています。さらに音声などの伝達に限って言えば、通信の方が圧倒的に安定しています。つまり、イノベーションの点からも、地デジにする意味がなくなってしまったのですが、霞ヶ関の決定事項は大本営発表と同じで、いったん方針を打ち出したら最後、公共工事と同様後戻りできないわけです。地デジ化というのは、国策の公共事業ですから。

 家電メーカーもそれにのっかって止まらなくなったのですが、ともかく2011年7月には失敗がはっきりとわかるでしょう。ただ新聞やテレビは、事情があってその経緯をいっさい報じずにごまかしてきたわけです。一般の人がどれだけ被害を受けても、それはどうにもならないというわけです。これは世界を見渡しても日本だけの話です。

 私は2002年からこの問題を『月刊現代』などで追及してきましたが、8年経過してもその現実に目を瞑っている政府と記者クラブにはあきれ果てています。

 あとは、それまでに政権交代するか、菅さんではない人が出てきて何かを変えてくれるか。民主党議員は400人以上いますから誰かしら総理になるでしょうが、誰かというのは興味がなく、とにかくマニュフェストを実行できる人がなるかどうか、それだけに注視しています。

 あえて民主党の代表経験者が次期首相の資格があるとすれば、小沢、岡田、菅、鳩山、前原の5人ということになりますが、このなかで私が実績で評価しているのは、小沢さんと岡田さんです。その次に鳩山さんがきて、最後に菅さんと前原さんがきます。この最後の2人はやるといったことをこれまで何度も覆してきた。逆に、小沢さんと岡田さんはいったんやると言ったら必ずやる政治家なので、どちらかが首相になれば日本は大きく変わるだろうと思います。

 14年間、民主党を見てきた私が得た結論です。記者クラブ改革など情報のオープン化に応えてくれるのもこの2人の政治家だろうと思います。

(つづく)

【大根田 康介】

<プロフィール>
上杉 隆(うえすぎ たかし)
上杉 隆(うえすぎ たかし)1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに。 政治、メディア、ゴルフなどを中心に活躍中。著書に『上杉隆の40字で答えなさい』(大和書房) 『結果を求めない生き方』(アスコム) 『記者クラブ崩壊』(小学館) 『ジャーナリズム崩壊』(幻冬舎) 『官邸崩壊』(新潮社)など多数。 ツイッターアカウント @uesugitakashi

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