ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

直撃インタビュー

衝突する新旧のメディア 佐々木俊尚氏インタビュー(5)~スモール化で個人力が問われる時代に
直撃インタビュー
2011年1月 2日 13:00

<マネタイズ=世論形成ではない>

 ―ネット上の優れた論壇の議論というのは、基本的に無料で見ることができます。コンテンツは有料にすべきかどうかという議論もあります。

佐々木俊尚氏 佐々木 彼らは基本的にそれで飯を食っているわけでもありませんから、無料でできるのです。では、どうやってマネタイズしていくかということについて、メディアはすぐに有料配信か広告付配信の2択しか考えませんが、実はそうではありません。たとえば私のようなフリーランスのジャーナリストというのは、ツイッターもブログも無料で書いている一方で、有料のメルマガを出しています。あるいは自分の本を買ってもらうという、とれるところからとっていく仕組みにしているわけで、全体的にそういう方向にいくでしょう。

 企業体としてコンテンツを発信していくのは難しくなるし、よりスモール化というか個人化の方向に進んでいきます。要するに、これは世論形成の話であって、そこでお金を儲ける必要があるかどうかはまた別の話です。たとえば、世の中に対して情報を発信したいと思うときは影響力を強めるため無料にして、一方で少数の人数でいいからこの情報はお金になるから有料で狭いところに発信する、と使い分けは十分可能です。

 たとえば、アメリカでは新聞記者出身の女性ジャーナリストが年100万円のメルマガをつくって数名が登録しているようですが、それだけでも年間1,000万円を超える収入になるわけです。その人はそれだけやっているわけではなくて、ブログなどで知名度を上げているのでしょう。だから、今は必ずしもマネタイズ=世論形成ではないし、昔はお金を出した新聞やテレビがそれをイコールでしていたのですが、必ずしもそうである必要はありません。

(つづく)

【大根田 康介】

<プロフィール>
佐々木 俊尚(ささき としなお)
佐々木 俊尚(ささき としなお)1961年兵庫県生まれ。早稲田大学政経学部中退。88年毎日新聞社入社。99年アスキーに移籍し、『月刊アスキー』編集部デスク。03年退職し、現在フリージャーナリストとして主にIT・ネット分野を精力的に取材する。総務省「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」委員。「2011年 新聞・テレビ消滅」「Google グーグル」「電子書籍の衝撃」など著書多数。

*記事へのご意見はこちら


※記事へのご意見はこちら

直撃インタビュー一覧
直撃インタビュー
2011年1月 6日 08:00
直撃インタビュー
2011年1月 5日 08:00
直撃インタビュー
2011年1月 4日 08:00
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル