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直撃インタビュー

HISで学んだ経営観 ベンチャー企業に必要なもの(2)
直撃インタビュー
2011年1月 5日 08:00

ビッグ・フィールド・マネージメント(株) 代表取締役 大野 尚 氏

<経営観より大事な 場の空気を変えること>

 ―HISがハウステンボスを支援するという話が出たとき、どのように感じられましたか。

 大野 澤田さんはある意味であまのじゃくですから、「他の人がやらないなら自分がやろう」というタイプです。周囲が不可能だと言って反対することほど、それに対してチャレンジしていく人です。ただ、よく勘違いされるようですが、たとえ不可能だとしても、それを可能にするための条件を導きだす能力もビッグ・フィールド・マネージメント(株) 代表取締役 大野 尚 氏澤田さんは備えています。

 ハウステンボスの場合、公租公課の免除や助成金の確保などになりますが、そうした条件を結果的に引き出しているわけです。一見、不可能なものをできる限り可能にしていく能力、これに長けていますね。石橋を叩いて渡る面もありますが、この点はすごく学びました。

 だからこそ、澤田さんが直接引っ張ってくれているときは非常に楽しかったですし、私自身も独立したいと思えたわけです。
 
 ―経営者にとって必要なことを、仕事を通じて学べたわけですね。

 大野 澤田さんはやはりトップの人です。私もHIS時代は役員の1人として機能的には動いていましたが、最終的には澤田さんでした。自分は澤田さんにはなれないけれど、違った人生、違ったビジネスをしたいという人間も、少なからずHISにはいました。

 でも、すごくチャンスをもらいましたし、大変感謝しています。たった25人の会社が5,000人近くなりました。そして、誰も知らなかった無名の会社が東証一部上場したのを経験したわけですから、それは面白かったですね。

 未来を語るとき目をキラキラ輝かせて人をドキドキさせる、また場の空気を変えることができる、澤田さんはそんな人でもあります。とくに空気を変えるというのは、経営観よりもっと大事なことですね。交渉事では、相手の空気のままでは有利な交渉はできません。いつの間にかその場を自分の空気に変えるからこそ、有利になります。それが経営者にとって、もっとも必要なことです。

 ―それは天性のものでしょうか。それとも後天的に身についたものでしょうか。

 大野 もちろん天性もあるでしょうが、創業当時のメンバーは皆、海外バックパッカーとして世界中歩きまわっていたような人間たちです。ほかの国に行けば、文化、言葉、肌の色からすべてが違います。そんなところに飛び込もうと思ったら、相手のことを理解しつつ自分のペースにしていかなければどうにもなりません。

 こうした現実的な海外を歩き回った体験というものが、勘を鋭くさせたのだろうと思います。私自身もそうでした。

(つづく)

【文・構成:大根田 康介】
【取材協力:エンドライン(株)】

<プロフィール>
大野 尚(おおの ひさし)大野 尚(おおの ひさし)
1958年福岡市に生まれる。専門学校卒業後、定職に就かず世界を放浪。帰国後無職で結婚。妻に養ってもらいながらの日々を経て、肉体労働、音楽関係、コック修行など、様々な仕事を経験したのち、当時まったくの無名だった現エイチ・アイ・エス創業者の澤田会長と出会い、同社に参画。マンションの一室から始まった九州・中国エリアを100数十億にまで伸ばす。退社後、2004年に自社を立ち上げ、経営コンサルティング、講演、セミナー等で中小企業経営者に向けて辛口のアドバイスをする傍ら、自身の経験を元に積極的にニート・フリーター、学生の力になるべく活動している。


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