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【トップインタビュー】ハウステンボス代表・HIS会長 澤田秀雄氏(8)
直撃インタビュー
2011年1月 3日 08:00

目指すは「観光ビジネス都市」 ハウステンボスを変える経営者魂

<エコ事業よりも自然の摂理を大事に>

 ―たしか、創業時は「環境未来都市」という意味合いもあったと記憶しております。それで、当時としては最先端の環境技術が施された施設になりました。

澤田 秀雄氏 澤田 もちろん、エコも大切だと思います。ここにもっと太陽光発電や風力発電をつくって、ほかにもいろいろなエコ事業をやろうと思えば、いくらでもできます。ただ、それも経済効果のバランスで、ハウステンボスに限って言えば、今は普通の電気の方が安く済みます。エコは表向き良いように見えるわけですが、経済効果で言えば現時点ではマイナスなのです。

 しかし、今後も環境には配慮するようにしていこうと思います。車もできるだけ電気自動車やカートにしようと試みていますが、それもコストパフォーマンスを考えなければ、結果的に採算がとれなくなりやっていけなくなります。それでは、どれだけエコだ、エコだと言っても絵に描いた餅です。

 とは言え、せっかくここは創業者の想いでそういう風につくられていますから、我々としてはそれを大切にしたいと考えています。それもただ大切にするだけではなく、どうしたら採算がとれるようになるかを考えていかないと事業として続きません。

ハウステンボス せっかくこれだけの花と木がすばらしいのですから、これを活かした未来都市に変形したほう良いでしょう。チューリップがない時期でも、毎年5月にはすばらしいバラが咲きますし、秋にはコスモスが咲きます、そういう意味では、私は別にチューリップにこだわっていません。日本の四季折々できれいな花が見えるハウステンボスで良いと思っています。冬は花が咲かないため、今回は光の花を咲かせることになりました。

 ここのチューリップは2カ月くらい咲いていますが、実はオランダから見ると不自然なのです。あちらはわずか2~3週間しか咲きませんから。無理やり冷凍したり、温室で育てたりしたようなものよりも、自然に種を植えて、自然に咲いた立派なチューリップの方が真実の美しさだと考えています。

 自然の摂理を大事にする。本物の音楽だと人が感動します。そこにまがいものをもってきても、お客さまはあまり感動しませんよね。だから私は、少し高くても本物を持ってこいと言っているわけです。チューリップにしても、たとえ期間が短くなってもそれはお客さまに説明すればきっと納得していただけると思います。

(つづく)

【児玉崇・大根田康介】

<プロフィール>
澤田 秀雄氏澤田 秀雄(さわだ ひでお)
1951年、大阪府生まれ。73年に旧西ドイツ・マインツ大学経済学部に留学。在学中に世界50カ国以上を旅行する。帰国後の80年、新宿にて旅行会社(現:(株)エイチ・アイ・エス)を開業。95年3月店頭公開。96年、オーストラリアに「The Watermark Hotel Gold Coast」をオープン、会長に就任。また同年、スカイマークエアラインズ(株)(現:スカイマーク(株))を設立し、98年に国内航空業界への新規参入を果たす。99年、協立証券(株)の株式を取得し、エイチ・アイ・エス協立証券(株)(現:エイチ・エス証券(株))の代表取締役社長に就任。03年にはモンゴルAG銀行(現:ハーン銀行)の取締役会長に就任。04年、エイチ・エス証券(株)を大証ヘラクレスに上場させる。同年、(株)エイチ・アイ・エスは東証一部に上場。現在は澤田ホールディングス(株)の代表取締役社長、(株)エイチ・アイ・エスの取締役会長の他、経団連理事、経済同友会幹事、アジア経営者連合会理事長も務め、10年4月ハウステンボス(株)代表取締役社長に就任。

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