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直撃インタビュー

気鋭のジャーナリスト・上杉隆氏が語る2011年の日本(7)
直撃インタビュー
2011年1月 3日 08:00

不自由の鎖につながれた日本 立ち遅れている政治とメディア

<日本は自由の国ではない 地方から変えていく>

 ―そういう意味では、日本は自由に見えて不自由なのかもしれません。

上杉 隆氏 上杉 この前、一時アフガンで拘束されていたジャーナリストの常岡浩介さんと話しているなかで、「アフガンから帰ってきて日本はどう?」と聞いたとき、「こんなに不自由な国はないですね」と言っていました。皆は自由だと思っているけれども、実は不自由な鎖につながれていて、それにまったく気づいていない。

 北朝鮮だって、イランだって、イラクだって、アフガンだって、キューバだって、中国だって、政府が悪いことをやっているのを隠しているのは皆が知っています。だからそこに自由はなくて、報道の正しさは別のところにあるという認識のもと生活しているわけです。だから、これらの国々ではまとまなマスメディアというものはないのです。しかし一方でジャーナリズムはあります。ジャーナリスト1人ひとりが命を賭けて報じています。

 ところが日本はメディアがたくさんあるのに、ジャーナリズムがありません。権力に寄り添った記者クラブ報道があるだけです。本当のジャーナリズムはなくて、でも日本人は皆それがジャーナリズムだと思っているわけです。

 常岡さんはそんな日本の現状を見て、「早く自由の国アフガニスタンに帰りたい」と言っています。拘束された後でもですよ。海外メディアに行ったことのある人間は、自由にみえる日本の不自由さに息苦しくなるのです。

 そして、それを自由だと思ってふるまっている日本の記者と、その報道によって1億2,000万人の国民が洗脳されていること自体、日本人は何を考えているのか、おかしいのではないか、というのが海外のジャーナリストたちの最終的な結論です。

 ―当社では、地方から記者クラブの問題などを追及しています。そうした地方からの改革というのはこれからも取り組んでいきたいと思います。

 上杉 その件では、私もツイッターで触れました。今、地方で顕著な動きのあるのは名古屋です。名古屋市の記者クラブをこじ開けた元中日新聞記者の関口威人さんというフリーのジャーナリストがいます。彼のおかげで、COP10にも記者クラブ以外の人間が参加できるようになりました。札幌でも近いようなことが起きています。フリーランスの小笠原淳さんの尽力により札幌市役所などの記者クラブがどんどん開いていっています。地方でのそうした動きが結果に結びつけば、かなりインパクトがありますよね。だから福岡でもどんどん動いてもらって、地方都市から変えていきましょう。

(了)

【大根田 康介】

<プロフィール>
上杉 隆(うえすぎ たかし)
上杉 隆(うえすぎ たかし)1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに。 政治、メディア、ゴルフなどを中心に活躍中。著書に『上杉隆の40字で答えなさい』(大和書房) 『結果を求めない生き方』(アスコム) 『記者クラブ崩壊』(小学館) 『ジャーナリズム崩壊』(幻冬舎) 『官邸崩壊』(新潮社)など多数。 ツイッターアカウント @uesugitakashi

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