東日本大震災で壊滅的な被害を受けた陸前高田市の旧市役所庁舎が、6月にも解体される。市街地で最も高い建物だった旧庁舎は3階建て。一部屋上に避難した市長・職員や近隣住民は助かったが、屋上手すり部分まで浸水。295名在籍した市の職員のうち、68名が犠牲となった。
外部からは「被害の実情を知ってもらう必要がある」として保存を求める声もあったが、被害者の親族など、市民感情を考慮し解体が決まっている。
旧庁舎内部には流されてきた車輌やガレキ、書類等が震災当時のまま残されている。現在でも頻繁に視察希望者が訪れ、被害者の冥福を祈る姿がある。
今年3月1日現在の陸前高田市の死者・行方不明者は1,732名。岩手県最南端の同市は、最も被害が大きかった地域の1つ。
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