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東日本大震災

復興予算、なぜうまく使えないのか(3)~予算編成プロセスの問題点を分析する
東日本大震災
2012年12月 2日 07:00

<"流用"しやすい特別会計の問題点>
 今回の被災地の復興に直接関係のない予算の割り当てでは、一般会計でも通るかどうかアヤシイものを復興にこじつけて、特別会計で落とそうという付け替え型の予算計上が、ちらほら見られた。
 そもそも、チェックが緩いと言われ、付け替えのしやすい「特別会計」そのものに問題を抱えている。復興予算を、特別会計の流れに乗せるべきではなかった。

 仮の話をする。「復興予算執行法」とでもいう法律を迅速に通し、一般会計でもない、特別会計でもない予算のシステム(確実に復興に直結すべき使い方であることが必須。復興に特化した予算執行のプロセス)を構築し、そのシステムの流れに乗せることが適切だったのではないか。未曾有の東日本大震災。復興への道のりは、これまでの通例にはなかったことであるのに、予算は、通例に則ってやろうとした。政治家、官僚の危機感不足、発想力と柔軟さが欠如していた。もっと短距離で真の復興に近づくためのよりよいお金の使い方はあったはずだ。
 約1年半を無駄にしたことで、後戻りしてしまった。もっとよく考え抜き、精査したうえで、真の復興予算をスタートさせたのであれば、新仕分けも必要なかった。

<発想力の欠如か?確信犯か?>
 スタートとなった、昨年度の第3次補正予算。12年度より特別会計で予算を組むことが決まった時点で、今回のような復興のための予算を省庁で奪い合ったり、復興に直結しない事業や被災地以外の地域で使ったりされることは目に見えていた。「確信犯だった」というのが正解だろう。

 「復興予算推進会議」や超党派の「復興予算奪還プロジェクト」など復興に向けて予算を適切に使おうとする動きが出ているのは、いいことだが、これは、3・11以後、復興予算をスタートさせる時点でやらなければいけなかったことではないだろうか。
たとえば、被災地の県知事、各市町村の首長、行政担当者、関係の深い政治家、客観的意見を言える有識者などからなる合同会議を立ち上げ、議論し、ニーズをくみ上げながら、真にお金が必要なところに振り分けていく従来とは違った方式の方が、復興予算に限って言えば、適していたのではないか。いわゆる「予算の民主化」だ。

 超党派の「復興予算奪還プロジェクト」が14日に出した緊急提言では、予算の流れの再点検と、被災地の自治体のニーズに合うように柔軟に使途を決められるようにする必要性を説いている。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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