日本が東南アジアに進出する際の拠点として、赤坂綜合事務所（荻坂昌之代表）は、ラオスに照準を定め、現地政府とともに水力発電などのエネルギー事業などに取り組んでいる。東南アジア総本部ラオス代表の飯田国大氏は、日本企業、ラオス企業の橋渡し役として現地で奮闘中。魅力の多いラオスには他国も注目。特に国境を接する中国が積極的に進出している。日本も負けてはいられない。

＜中国が先行して進出＞
　首都ビエンチャンを中心に、ラオスは今、目覚ましい経済成長を遂げつつある。2050年には世界経済の半分を占めるとも言われるアジア。そのど真ん中にあるラオス。周辺国の成長とともに、地の利、ビジネスチャンスも増大中だ。
ポストチャイナとして、人口の多いインドネシアやミャンマーなどが注目されているが、ラオスは、中国、ミャンマー、タイ、ベトナム、カンボジアと国境を接し、地理的条件に恵まれている。
　その好立地が他国同士の競争を生む。この10年、国境を接している中国から、積極的な投資が入っている。雲南省昆明から国境のボーテンを経て、首都ビエンチャンに至るラオス高速鉄道の建設を中国の資金、約70億ドルを投じて行なうなど、中国のラオスに対する影響力は拡大しつつある。ただ、そのやり方は、鉄道建設の資金を出す代わりに、線路周辺の土地を中国の租借地とするなど、利益本位。このところ、都市化の進む首都ビエンチャンでも、対中依存度が高くなっている。

＜日本はＯＤＡで貢献＞
　日本はＯＤＡ（政府開発援助）でラオスのインフラ整備に貢献したが、ビジネス進出では中国に後手を踏まされた。赤坂綜合事務所の荻坂昌之代表は、ラオスを東南アジア進出の拠点として定め、ラオス政府と水力発電事業などに取り組み、現地の人々の暮らしの向上に寄与。「日本はＯＤＡでラオスを支援し、お金を出してきたが、今は、中国に荒らされているような状況。日本はメリットも取らなければならない。ただ、継続的に現地の人の生活を豊かにし、地元の人や企業にメリットを与えるものでなくてはならないと思っています。私たちはラオスとの共存共栄を大切にしていきます。」と、語る。利益重視で南進する中国とは違い、現地ラオスとともに成長することを理念に掲げている。
　不動産開発にも携わってきた荻坂代表は、日本の建築技術、都市美化でのラオスへの貢献も試みる。「今のところ中国が席巻している。中国が先に進出して、今は都市美化の概念がない。日本の設計、建築技術を現地に活かしたい」と"現地の人とともにある"ことを信条に、日本、ラオスの絆づくりに意欲を燃やしている。

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