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都知事選の鍵を握るのは公明党~舛添要一氏が適任か
政治
2013年12月27日 10:41

 12月18日深夜、NHKが「猪瀬直樹東京都知事、辞意表明」と速報を打った。
 徳洲会からの5,000万円の借入金問題が発覚し、猪瀬氏の知事辞任は既定路線になっていた。問題は辞意表明の時期だった。
 それにしても、都議会総務委員会で背広に汗を滴らせる猪瀬氏の姿は「異常」としか言えなかった。周囲が「24時間警護しろ。死んでしまうかもしれない」と警戒したほどだ。
 知事辞任とともに、予定されていた百条委員会の設置は流れた。共産党は悔しがった。これを機に、自民党などで徳洲会から資金提供を受けた議員を一挙に駆逐するつもりだったからだ。
 さて、冒頭のNHKの速報が出た直後、筆者のところに一報が入った。
 「自公は次期知事候補として舛添要一氏を推すつもりだ」
 すでに水面下では候補選定が行なわれていた。

 舛添氏は1999年の都知事選で出馬し、84万票を獲得した。2001年の参院選では、自民党から比例候補として出馬。159万票を獲得している。
 知名度の高さと行政手腕が舛添氏の「売り」だ。舛添氏は第一次安倍政権、福田政権、麻生政権時に厚生労働大臣を務めている。
 ただし2010年には改革クラブに入り、自民党を除名されている。これがネックとされるが、都知事選は地方選。都連が推せば問題はない。
 先週行なわれた自民党の世論調査で、舛添氏は東国原秀夫氏と並んで高い支持率を得たという。いわゆる「アリバイ作り」である。
 都知事候補として何より重要な点は、「公明党が推せるか」だ。舛添氏は公明党と近く、この点は問題がない。東大教授という経歴も、同党が好むところだ。

東京都庁 だが都知事候補として正式に発表するには、年を超す必要があるだろう。1999年の都知事選で石原慎太郎氏が当選して以来、都知事選は「後出しじゃんけんが勝つ」というジンクスがある。
 その間に、さまざまな人物が候補に上がっている。自らスピードスケートと自転車競技の選手としてオリンピックに出たことがある橋本聖子参院議員や下村博文文科大臣、参院選で100万余の票を獲得して2選を果たした丸川珠代参院議員らだ。民主党からは7月の参院選で落選した鈴木寛氏の名前も出た。
 橋本氏擁立の話の裏には、猪瀬氏に大会組織員会会長を拒否され、オリンピック利権を奪われそうになった森喜朗元首相の「巻き返し」があった。森氏は橋本氏の強力な後援者である。
 また丸川氏は安倍晋三首相が「女性がいい」と述べたとも言われ、一時は有力候補と見なされた。しかし2013年の参院選では大量得票を期待されたにも関わらず意外と票が伸びなかったことから、結局は出馬を諦めたと言われている。

 そのなかで一番現実味がありそうなのは村木厚子厚生労働次官の出馬説だった。村木氏は障害者郵便制度を悪用した凛の会事件で逮捕されたものの、無罪を勝ち取って復権を果たした。第二次安倍政権発足とともに次官に抜擢され、話題にもなった。
 「村木氏は地道な人間だから、出馬の依頼があっても断るに違いない。その点は、大阪知事になった太田房江氏とは大きく違う」(厚生労働省関係者)
 そう言われながら、村木氏の出馬話を無視できなかったのは、「坂口力元厚生労働大臣が村木氏を説得するために動いている」と囁かれたからだ。
 医師でもある坂口氏は公明党の重鎮。同党には65歳の定年制があるにもかかわらず、2012年の衆院選で78歳で引退するまで衆院議員を務めている。

 だが実際には、公明党の直接の指示で坂口氏が動いている様子はうかがえなかった。そこで、ことの真相を坂口氏の関係者に聞いてみた。
 「坂口氏は東京に来ている。村木氏に接触もしている。厚生労働大臣時代にやり残した政策について、事務次官である村木氏に相談している」
 関係者は、坂口氏が村木氏に接触するのは都知事選とは無関係だと述べている。
 ただしこれは「カモフラージュ」ということもある。すなわち自民党が坂口氏に村木氏の説得を依頼し、もし村木氏が出馬を応諾するなら、「坂口氏が説得した」ということで公明党の支持を得ることができるからだ。
 このように都政で鍵を握るのが公明党だ。都議会公明党は実は党本部以上に力があると言われている。

 国政に先駆けて1955年の統一地方選で政界に進出した公明党にとって、地方議会は国会以上に重要と見なされる。加えて東京都は、公明党の支持母体である創価学会の宗教法人格を所菅しているため、いっそう重視されている。その象徴が東京都議を11期務め、同党常任顧問や最高顧問を歴任した藤井富雄氏だ。現役の都議時代の藤井氏は国会議員以上の権力を持ち、公明党が新進党と合流しようとしたとき、参院の非改選組の議員と地方議員で構成された「公明」の代表にも就任している。
国政では自民党と連立を組み、多くの自民党議員にとって重要な選挙支持基盤となっている公明党だが、都議会ではさらに存在感を増しているのだ。
 次期東京都知事の重要な役割は2020年東京オリンピックを成功させることだ。世界に向けて「東京の顔」になるのと同時に、少なくとも2期連続して務められる人物でなくてはならない。
 安倍首相は東京都知事について「国際性のある人」と述べたというのも、このことを示している。
 とすれば、自公が推せる適任者はやはり舛添氏だろうか。いずれにしろ候補の名前はじっくりと暖められた後、年明けに明かされる。

【永田 薫】


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