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緊急連載!!特定秘密保護法案~沖縄密約を暴いた西山太吉氏の講演(6)
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2013年12月 5日 15:43

<「知る権利」は保障されない>
 もう1つの問題、「知る権利」は保障されているか。政府は「知る権利は絶対に守ります」、「『知る権利』を代行する取材者や報道機関が仮にスクープしたら、それは特定秘密であっても取った人は罰しません」という。東京の有力な新聞がみんな政府に同調し始めた。東京では、毎日新聞、朝日新聞、東京新聞、テレビ朝日とTBSが反対している。読売、産経はOK。日本テレビ、フジテレビは秘密保護法案を報道しない。メディアが分裂した。

 「知る権利は保障される」というが、「知る権利」は、「知る権利」を振りかざしたら自動的に書類が出てくるわけではない。内部の人から教えてもらう以外に、「知る権利」は具体化しない。機械のように100円玉入れたら、書類が出てくるわけではない。外務官僚の中枢から、防衛官僚の中枢から取るしかない。人間が人間に対する以外にない。秘密保護法で鉄壁にガードされたら、「知る権利」は行使できない。

西山太吉 しかも、本当にごくわずかな人しか特定秘密を知らなくなる。外務省のなかに入っても、誰も知らない。ましてや漏洩したら懲役10年の監獄行きでは、いまだに重大な内部告発が1度も出てこない日本で、もはや内部告発は出てこない。外務官僚に何年間も接してみないとわからないが、日本の官僚機構は、生涯をそこで終えるから固定化して、上下の支配関係がすごい。いままでだって一言も話さなかった外務官僚が、何も言わなくなる。

 「知る権利」を振りかざして新聞記者が取材に行っても、この法律が動き出したら雰囲気が変わると思う。出てくる情報は、外務省のいわゆる情報提供と共同記者会見だけになる。共同記者会見で特ダネが出たことがありますか。共同記者会見の記事とか、リークされた記事だけ流れてごらんなさい。特定秘密は何も出てこない。

 本当に取らなければならないのは、特定秘密のなかの永久秘密を取らないといけない。永久秘密こそ国家機密だ。本当に国民に知らしむべきは永久秘密だ。あるときまできたら解除する、公表するような機密は、機密のランクは低い。一番恐ろしい機密は、憲法に反する機密、法律に反する機密、国民へ説明している内閣の基本方針と根底から反する秘密。それこそ逆に言えば、国民が知らなければいけない。それを取ることは尋常にはできない。「知る権利を保障します」といわれて、「知る権利」を実行する意思も行動力もない連中がまず同調していく。

 日本はどうなるか。情報統制、完全に情報が独占され、管理され、操作される。民主主義というものは、主権者の意思が、正確な国家の情報を全部知ったうえで、それに基づいて自分たちの意見をフィードバックしたうえで、その媒介機能を果たすのがメディアだが、それが十全に保障されているときに民主主義は機能し、国が発展していくわけだ。それが全部遮断される。

<権力の集中化一元化と秘密体制が同時に進む>
 そういう時は、権力の集中が進んでいる時だ。権力の一元化傾向が進んでいる時に、それに伴って秘密も増えていく。権力を集中化、一元化すればするほど、秘密体制が強化される。歴史が教えるところだ。独裁国家は秘密厳守だ。
 内閣の権力の集中化、一元化はものすごいスピードで進んでいる。昔から政治記者で政府自民党ばかり行ったけど、これだけ権力の集中が短期間に進んだことは、今まで体験したことがない。衆参両院で多数を占めた機会に、権力の集中化一元化をやって、効率的に、一気呵成に、集団自衛権の解釈改憲もみんなやっちゃえ、だ。

 日銀総裁は今や政府の御用達、総理大臣の子分を入れた。集団自衛権の解釈改憲をやるために内閣法制局長官に自分の子分を入れた。各省の役人を全部コントロールしようと、内閣人事局をつくった。各省の幹部を全部内閣人事局が査定する。最後に報道機関まで入ってきた。NHK会長というのは、NHK経営委員会が選ぶ。9人のうち4人が改選された。4人とも全部、安倍総理の子分だ。NHKという公共放送が事実上管理されてしまう。NHKの番組をめぐって、安倍総理が大喧嘩したことがある。それの仕返しが始まっている。このように権力の集中がどんどん進んでいる。
 同時に、秘密保全体制もどんどん進んでいる。出来上がったときには見事な独裁国家だ。専制的な権力集中国家だ。報道が管理し独占され、操作される。秘密保全法は調べれば調べるほど、恐怖に満ちた法律だ。

 それを阻止するエネルギーというのは、国民の下から湧き上がってこなければいけないが、残念ながら権力の監視では先進国のなかで最低ランクが日本だから、簡単に通っちゃう。
 外務省が機密のメッカだから、外務省の例を言いましたが、長い歴史を見ると、今大事なのは、秘密の保全を強化することではなく、情報公開法を改正して、国家の情報を最大限正確に伝達して、その足らざるところを秘密保全で補うことだ。本末転倒だ。秘密保全法が出来たら、現行の情報公開法は有名無実で、何も機能しなくなる。空文になる。情報公開のない国になる。秘密保全だけの国になる。世界に例がない国になる。なぜかといえば、市民が情報公開してくれと開示を請求しても、重要なところは特定秘密にしてしまえば、すべて「ノー」で済む。ということは、情報公開法は何も機能しない。恐るべき法律だ。秘密保全法ができるだけではない。情報公開法がなくなるということだ。
 そういう複合的なマイナスのファクターがあまりにも多い。こういう法案がたった2、3週間の間に衆参両院で通っちゃうこと自体が日本全体が独裁専制の国になりつつある証拠だ。

(つづく)
【取材・文・構成:山本 弘之】

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