東京証券取引所は、損失隠しに絡んだ有価証券報告書の虚偽記載で「管理銘柄」に指定しているオリンパスについて、月内に処分を決定する方針だ。
上場廃止にすればオリンパス株を保有する投資家らが大きな打撃を受けるとの判断から、3年以内に企業統治体制の改善ができなければ上場廃止となる「特設注意市場銘柄」に指定し、当面上場を維持する案が有力になっている。
9期連続の債務超過で上場廃止となったカネボウとは違い、オリンパスが隠していた「飛ばし」の損失を決算に反映させても債務超過になっていないことが、上場維持の有力な根拠となっている。ただし、上場ルールに違反したため、1,000万円の上場契約違約金を課すことで決着を図るものと見られている。
ここで問題となるのは、(1)「上場廃止をすれば、投資家らが大きな打撃を受ける」(2)「損失隠しの「飛ばし」はあったが、債務超過ではない」よって(3)「『特設注意市場銘柄』として、上場を維持する」との三段論法が通用するかどうかである。
「飛ばし」発覚により、一部の機関投資家や狼狽売りした一般の個人投資家は、大きな損害を被っている。投資家保護の名目での上場維持が、保有し続けている既存の機関投資家やリスクを承知でオリンパス株を新たに購入した投資家の保護であれば、公平性に欠けることになる。
東証の上場維持方針が、果たして市場に受け入れられるかどうかが問われている。株式市場で、いつも泣きを見るのは一般投資家である。市場が一時的に混乱しても、上場廃止に踏み切り、毅然とした投資家保護を打ち出した方が、長い目で見た場合、市場の信用を取り戻すことになるのかもしれない。
オリンパスに対する処分は、上場審査や取引を監査する東証グループの自主規制法人が、今月下旬までに上場維持か廃止かの結論を出すことになる。
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