済州島にあるロッテマートの売場を見ていて感じたのは、基本的に食品が欧米のように大口で売られていることだ。果物売場に行くとそれは瞭然で、カリフォルニア産のオレンジは3キロ1ボックス(箱)で1万ウォン(日本円で約780円)、密柑とオレンジを品種改良したチョンヘヒャン(千恵香)は、2キロ1ボックスで1万5,900ウォン(日本円で約1,240円)で販売されていた。
済州島はデコポンの産地で、済州島の象徴でもある漢拏山(ハルラサン)にちなんだハルラボンが各地のお土産店で販売されていたことから、オレンジ売場は充実している。
さつま芋(おそらく海南郡産)は1.5キロの1ボックス6,500ウォン(日本円で約507円)で販売されている。ロッテマートのPB牛乳は1,000ミリ2パックで4,700ウォン(日本円で約366円)、卵パックの個数も日本より多く、価格面はさておいて、1ボックス(箱)という箱売りや2個セット、内容量も日本の倍のサイズというのが目立った。取材時は丁度、3月14日のホワイトデー前であり、お菓子売場では日本でもお馴染みのキャンディであるチュッパチャプスが200個入りのツリー型ディスプレイ状態で3万1,000ウォン(日本円で約2,418円)と、日本のように小分けして売る手法とは少々異なるようだ。
このような販売形式は、戦後、アメリカの色が根付いているという見方もできる。だが、見方を変えれば、韓国は"大家族"というイメージがある。韓流ドラマを見ると、必ずといって出てくるのは大家族が集まって食事をするシーンである。家族構成が祖父、祖母、両親、子ども2人、兄の家族、弟の家族など10名以上が箸を突き合うシーンは、何となくイメージとして持っている人も多いのではないだろうか。しかし、実際には韓国の1980年の平均世帯数は4.50人から2005年には2.90人まで減少している。大家族化は単なるイメージに過ぎず、日本同様、韓国も核家族化は無縁ではない。
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