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「維新銀行 第二部 払暁」の連載開始にあたって~今までのあらすじ(1)
経済小説
2012年9月12日 13:51

<まえがき>
 いよいよ「維新銀行 第二部 払暁」の連載を開始致します。

 「維新銀行 第一部 夜明け前」では、維新銀行設立から谷本頭取誕生までを連載して参りましたが、第二部ではついに「頭取交代劇」が展開します。ご期待下さい。
 連載開始に先立ち新たな読者の皆様のために、今までのあらすじや登場人物について簡単に触れておきたいと思います。

「維新銀行 第一部 夜明け前」のあらすじ(1)
 維新銀行の母体となった第百六十国立銀行は、1880年に大内藩旧藩士達が、政治家としてまた実業家として明治政府とかかわりの深い井上馨などの勧めによって、金禄公債を主な原資として設立した銀行である。

 維新銀行は、大蔵省の指導のもとで戦時下の1944年(昭和19年)3月、西部県内に本店を構える地方銀行6行が百六十銀行を存続銀行として、対等合併により誕生。
 母体行の百六十銀行は財閥系の三星銀行の系列銀行であったが、合併を契機に維新銀行は大阪に本店のある御堂銀行の系列に入ることになった。
 初代頭取には、御堂銀行から派遣された渡辺謙二郎氏が就任したが、1949年(昭和24年)、渡辺頭取が会長に就き、次期頭取含みで御堂銀行から派遣されていた常務取締役の絹田周作氏が頭取に就任。維新銀行は名実ともに御堂銀行系列の銀行となった。

 1974年(昭和49年)、絹田氏は維新銀行創立30周年を節目に、頭取の座を筆頭専務の植木晃氏に譲り、維新銀行に待望のプロパー頭取が誕生することになった。
 新頭取に就任した植木晃氏は地元の西部高等商業学校(後の国立西部大学)を卒業し、暫く近衛兵として皇居の警備に当たっていたが、軍人から経済人になることを決意し、維新銀行の前身である百六十銀行に入行。その後頭角を現し秘書室長などを歴任。1960年(昭和35年)に取締役となり、1967年に常務、1945年に専務を経て、その4年後の1949年に頭取となった。

 一方植木頭取の後を受けて頭取となった谷本亮二氏は、組合対策のエキスパートとして絹田元頭取から三顧の礼をもって迎えられ、1953年(昭和28年)7月1日付で大手機械メーカーから維新銀行に入行した異色の経歴の持ち主であった。銀行側の組合対策の責任者として、組合幹部の人選や組合幹部出身者の優遇策を打ち出し、自らの影響力を強めていった。
 
 谷本は絹田元頭取の引き立てにより、維新銀行に入行して僅か18年後、45才の若さで取締役に抜擢された。その一方で、かつての恋人であった第五生命の山上正代の保険勧誘を積極的に支援。谷本が育てた組合幹部出身者達の協力により、山上の維新銀行を舞台とする違法な保険勧誘は次第にエスカレートしていくことになる。

(つづく)
【北山 譲】

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※この作品はフィクションであり、登場する企業、団体、人物設定等については特定したものでありません。

▼関連リンク
・「維新銀行」~第一部 夜明け前(1)


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