ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

チャイナビジネス最前線

日本ならば完全にアウト!表現の自由度がありえないレベルの台湾の番組~台湾テレビ事情
チャイナビジネス最前線
2012年11月20日 12:01

 中国や台湾を拠点に、アジア各国を渡りながら取材活動を続けるフリージャーナリストがいる。現地のマスコミに精通する彼が、日本との文化の違いを感じながらも、アジアならではの面白さについて、リアルにレポートする。

1120_c2.jpg 台湾は、テレビでの「表現の自由度」がかなり高い。
 中国は、国の文化部やラジオ・テレビ総局の監視がある。日本人は「日本は自由だ」と感じているかもしれないが、実は、放送禁止用語やスポンサー、表現において、曖昧なプレッシャーはかなりある。曖昧で明文化されていないものも多いから厄介。例えば、日本の五輪中継で「今年のオリンピックは盛り上がりに欠けましたね」と言うことはできるだろうか・・・?いまの日本テレビ界では無理だろう。

 台湾人の司会者に、7~8人の外国人ゲストが参加する台湾のあるトーク番組。
 外国人から見た台湾の面白い文化、台湾にはない外国の独特の文化を、ユーモラスに紹介する番組だ。
 トークテーマは毎回違い、
 「世界各国の面白い交通手段」
 「世界各国の怪談話」
 「台湾人に礼儀はあるか・・・」などなど。

1120_c1.jpg 出演するのは台湾に移住して来た外国人で、白人、日本人、韓国人、黒人など人員構成は毎回変わる。表現はかなり自由。ディレクターも事前打ち合わせで「相手の話に割り込んだり、自由に盛り上げてください」と出演者を鼓舞する。収録番組のため、危ない表現は編集でカットできるのだが、日本では「絶対アウト」という表現まで放送されている。

 ある放送回のテーマは「遺伝」で、南アフリカ出身の黒人がゲスト。
 トークはテーマから脱線気味。
 ゲスト「黒人にも色の区別があるんですよ・・・」
 司会者「全部、黒じゃないの?我々は、全然、区別がわからないよ~」
 ゲスト「3つの区別が、黒人の色にはあるんですよ」
 司会者「えっ?!3つも!?どんな区別なの?」
 スタジオは興味津々。
 ゲストは
 「一つ目は『黒』、次に『とても黒い』、最後は『かなり黒い』」
 会場は大爆笑・・・。
 フリップ写真を取り出し、3人の黒人の色の違いを説明していく。台湾人司会者や他の外国人ゲストには色の区別はつかないが、それでも、区別を説明していく。・・・と、こういう展開。

 日本ではまず「黒人」そのものがテーマになること自体がタブーだが、台湾では珍しくない。台湾でも放送表現については「外国人ゲスト本人たちが言っている」というのが言い訳だが、台湾人司会者も積極的にいじっている。
 番組の最後には「これらは個人の見解であり、局の見解ではありません」という字幕が出る。テロップさえ出しておけば・・・。この字幕を盾に、日本では有り得ないレベルで、かなりの自由自在感がある。

【杉本 尚丈】


※記事へのご意見はこちら

チャイナビジネス最前線一覧
チャイナビジネス最前線
2012年12月12日 14:21
チャイナビジネス最前線
2012年12月 7日 10:26
チャイナビジネス最前線
2012年12月 6日 13:40
チャイナビジネス最前線
2012年12月 4日 11:14
チャイナビジネス最前線
2012年12月 1日 07:00
チャイナビジネス最前線
2012年11月30日 16:52
チャイナビジネス最前線
2012年11月29日 09:00
チャイナビジネス最前線
2012年11月28日 11:13
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル