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もはや儀式! 形骸化している福岡市議会・代表質疑
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2013年3月 7日 07:00

<延々と続く、読み上げ作業>
 「一体、何のためにやっているのか!」と、傍聴に訪れていた60代男性は憤慨した。

0306.jpg 4日と5日、福岡市議会定例会では各会派代表による質問(代表質疑)が行われた。今回の議会では、新年度予算が議案とされており、質疑内容は各会派ともほとんどが新年度の事業に関するものだが、最大で1時間におよぶ各会派の質問はそれぞれ広範囲にわたった。
 答弁する高島宗一郎福岡市長は、前もって用意された原稿をひたすら読んだ。ほとんど下を向いて話すその姿は、かつてアナウンサーとして画面の向こうの視聴者に語りかけていた頃を微塵も感じさせない。加えて、質問が多岐にわたり、1つ1つの答えの多くが具体性を欠いた。酷いのは、異なる会派からの類似する質問に対し、市長がまったく同じ答弁をしている場面も見受けられたことだ。「ネタにならない」と思っているのかどうかは知らないが、5日午後の部で、現場である議場の記者席にいたマスコミは〝たった1人〟という有様。

 福岡市議会の代表質疑では、市長または局長クラスが一方的に答えるだけ。答弁への再質問は後日の補足質疑に回される。市議会は、市議会議員が市民の代表として市政をチェックする場だが、一方通行のやり取りに検証の要素はまったくない。言い換えるなら『公開の場で原稿を読み合う作業』は、一体、何のためにやっているのだろうか。
 この代表質疑は、議場での傍聴が可能なほか、インターネットで中継・録画放映もされている。しかし、どれだけの市民が見ているのだろう。傍聴席を見ると、明らかに空席のほうが多い。手元に資料もない傍聴者(市民)が、タイムリミットを意識してか、早口となる〝読み上げ〟を聞いただけで理解に至るとは思えない。

 佐賀県武雄市は、人口5万の自治体ながら、全国から視察が後を絶たないほどの注目を集めている。同市の市議会はケーブルテレビで中継されており、高い時にはその視聴率が50%まで上昇するという。質疑応答の際は、視聴者にもわかりやすいようにと、大画面のモニターで質問内容に関する資料などが映し出されるといった工夫がなされている。市立病院の民営化、図書館の民間委託など、話題を呼んだ事業も市議会におけるかっ達な議論を経てきた。市民の関心の高さが白熱した議論を呼ぶ好循環を産んでいるのだ。なお、樋渡啓祐武雄市長は常々、「地方行政の最大の問題は(市民の)無関心」と語っている。ぜひ、両市の市議会中継または録画(関連リンク参照)を見比べていただきたい。

【山下 康太】

▼関連リンク
・福岡市議会放映
・武雄市議会 一般質問動画配信


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