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「維新銀行 第三部 クーデター」~第2章 クーデター当日(42)
経済小説
2013年5月 6日 07:00

<取締役会議(3)>
 堀部正道に続いて、これから3回にわたり取締役会議で繰り広げられる「谷野頭取交代劇」で守勢に立たされた改革派と攻勢をかける守旧派の人物像について紹介する。

◇改革派(5名)
・谷野銀次郎代表取締役頭取(改革派のトップ)
N大卒:谷本頭取の後を受けて02年6月頭取に就任。谷本が10年間手をつけなかった不良債権を処理したことが、相談役に退いても行内外に隠然たる影響力を持つ谷本との亀裂を生む原因となった。また組合幹部出身の役員たちが谷本と親しい第五生命の山上正代の違法な保険勧誘を積極的に勧誘していることを糾弾。そのことが谷本を頂点とする守旧派の逆鱗に触れ、午前中に開催された経営会議で取締役再任反対の動議を提出されるが、辛うじて過半数に達せず股肱を脱出する。しかし谷本子飼いの組合出身取締役が新たに加わった取締役会で、「頭取罷免」の採決を受けることになる。

・石野裕士専務取締役(専務取締役九州本部長)
西部大卒:人事部長を歴任。守旧派の吉沢忠常務と西部高校の同期であるが、谷野頭取交代劇では敵味方に分かれて対峙する。大沢監査役と同様に人事部出身者としての矜持から、「正当論」を唱えて谷野頭取を擁護する立場を貫く。

・梅原哲夫取締役(審査部門担当)
A大卒:審査畑が長くその手腕を谷本頭取に認められ取締役に登用される。しかし審査担当取締役として第五生命の保険料ローンの取り組み停止や厳格な融資姿勢を取ったことで守旧派に糾弾される。栗野会長と親しい関係にあったが、谷野頭取を擁護する立場を堅持する。

・木下秀男取締役(事務管理部門担当)
第18代組合委員長(HO大卒) 組合出身であったが第五生命の山上との接触はなかった。正義感が強く、取締役の中でただ一人クーデター派に加わらなかった。本部管掌取締役として谷野頭取擁護の姿勢を貫いた。

・小林辰彦取締役(経営管理部門担当)
HI大卒:管理部門担当の取締役として第五生命の外務員である山上正代の『保険契約に関する調査』の責任者となり、守旧派の反発を受ける。将来の頭取候補の一人であったが、「頭取交代劇」でその道は閉ざされることになったが、一貫して谷野頭取擁護の姿勢を崩さなかった。 

・大沢明之常勤監査役
谷野頭取と同窓のN大卒。谷野頭取更迭の動きを知り、議決権はないが監査役の立場から経営会議と取締役会議に出席。守旧派による「正義のない頭取交代劇」を批判し、谷野頭取を擁護する意見を展開。そのため監査役再任は守旧派の動議により否認を受け、太平洋産業の常勤監査役へ転出することになる。

(つづく)
【北山 譲】

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※この作品はフィクションであり、登場する企業、団体、人物設定等については特定したものでありません。


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