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脱原発・新エネルギー

風力発電こそが再生可能エネの主役~エネルギーの地産地消を(中)
脱原発・新エネルギー
2013年6月10日 07:00
九州大学応用力学研究所 所長  大屋 裕二 教授

 電力は今や社会に不可欠なインフラである。東日本大震災以来、日本は新たな電力のかたちを模索し続けている。しかし、原発再稼働の是非、石油高騰など、刻々と変化し続ける環境のなか、次の一手がさだまらないのが現状だ。九州大学応用力学研究所では、独自の風力発電技術でエネルギー問題の解決を提案している。主な技術は2つ。1つは風を集める技術。もう1つは風を読む技術。本特集でその技術を紹介する。まずは総論として応用力学研究所所長の大屋裕二教授に、風力発電が描く未来を聞いた。

<小さな風車を各地に>
 ――風力を電力の主役にするためには、どういう展開が予測できるのでしょう。

 大屋裕二教授(以下、大屋) 大きく2つの流れがあります。原発や石油火力などのように大規模で集中的な発電方法と、小さいエネルギーを地元で消費するやり方です。前者は大規模ウィンドファームで100MWなど大きな出力の発電をし、エリアごとにポツポツと設置していく。そして送電網を使って消費地に持っていくというやり方です。一方、小さいエネルギーを地元で消費する方法は、風況が良ければ自宅周辺に風車を置いたり、地域の空き地に少し大きめの風車を置いたりして小さなエリアで発電し消費する方法を指します。

 ――大規模集中と中小規模分散の2方向で進むということですね。

0610_en_f.jpg 大屋 大手メーカーなどの産業的な側面から見れば、10MWなどのような超大型の風車がつくられていくことになるでしょう。大きな風車をつないでいって、原発に匹敵するような規模のエネルギーファームをつくる、というのが1つのやり方です。経産省の資源エネ庁、大企業もその方向で考えているようです。
 一方、私たちのコンセプトは違いまして、中規模、数MW程度のエネルギーファームを洋上につくることを考えております。そこには風を集めるレンズ風車の技術を用いて発電効率を高める工夫ももちろん組み込みます。そして、ただ電気を起こすだけではなくて、魚の養殖や海底の資源探査基地としての機能も合わせて付加することで、より意義のあるものにできればよいと考えております。応用性の高さというのも大切なことだと思います。

 ――魚の養殖もできるのですか。

 大屋 洋上の浮体式のエネルギーファームならば可能です。三角形の浮体(浮き島の部分)の中心部に網を張り、そこで魚を育てることは発電に何の影響も与えませんし、有益性を高めることは大切だと思います。食の問題というのもエネルギーと同じく、大変大きなものですから。私たちの方法でお役に立てれば幸いだと考えております。

(つづく)
【聞き手・文・構成:柳 茂嘉】

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