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脱原発・新エネルギー

国内最大のメガソーラー企業~芝浦グループホールディングス(前)
脱原発・新エネルギー
2013年6月13日 07:00

 競争著しい再生可能エネルギーの分野。とくに、メガソーラー発電事業には多くの企業が名乗りを上げ、群雄割拠の状況が続く。本稿では、いち早く実績を積む地元企業と、これを取り巻く業界環境にスポットをあてる。

<日本最大のメガソーラー発電所が本格稼働開始>
 3月29日、福岡県みやま市で日本最大のメガソーラー発電所が本格稼働を始めた。「九州ソーラーファーム7 みやま合同発電所」と名付けられた同所に敷き詰められた太陽光パネルは約7万9,000枚。東京ドーム7.5個分、総面積33万m2におよぶ発電所の内部に足を踏み入れると、さながら地平線までパネルが続いているかのような感覚に襲われる。

miyama_goudou_hatuden.jpg 運営するのは、北九州市に本社を置く芝浦グループホールディングス(株)(福岡県北九州市小倉南区上石田4-17-22、新地哲己代表取締役会長兼CEO)をはじめとするグループ各社だ。最大出力22.898MW (メガワット)は、一般家庭4,350世帯分の使用電力に相当する。従来、国内最大規模を誇っていたのは2011年に稼働を始めた「東京電力・扇島太陽光発電所」(神奈川県川崎市)の13MWであるため、みやま合同発電所はこれを大幅に上回り、現時点で国内最大のメガソーラー発電所ということになる。
 これだけの規模だけに、携わる企業数も多数にのぼった。竣工・本格開業に先駆けて行なわれた2月の慰労会は、担当業務ごとに複数回に分けて実施。パネルメーカーを筆頭に、各分野の施工業者の代表が200名近く集まったという。3月21日に盛大に執り行なわれた開所式には、地元自治体関係者、金融機関、マスコミ各社が集い、その注目度の高さを改めて印象付けた。

 ただ、規模の大きさもさることながら、当発電所の最大の特長は別のところにある。1つは、これが「合同」発電所である点だ。実は、この「みやま合同発電所」、上空から見るとひと固まりの団地のように見えるが、内部では13の区画に分かれており、実際、地上には柵が設けられている。各々が単独の発電所として稼働し、売電もそれぞれが行なう仕組みだ。しかも、各々の所有者はまったく別の会社。つまり、この地では13の会社がメガソーラー発電所を保有し、電力会社として発電事業を行なっていることになる。音頭をとったのは、前述した芝浦グループHD。自身もすでに9つの発電所を保有しているが、「再生可能エネルギーをさらに普及させるには、世の企業にその意義を理解してもらい、そのうえで儲けてもらうことも大切(新地会長)」との思いから、日本初のメガソーラー発電所分譲事業に踏み切った。各事業者の売電価格は、初年度限りのプレミアム価格である42円に設定され、法律上、これが20年間続く。しかも、グリーン投資減税により即時償却が可能であるため、購入した企業のメリットは計り知れない。他方、芝浦グループHDもメンテナンス収入を安定的に得ることになり、双方にメリットのある枠組みが取られている。
 そして、もう1つの見逃せない特長は、これらのメガソーラー発電所が地元福岡の中小企業によって実現されたという事実である。

<時代を読む力、常に変化する努力>
 芝浦グループHDの起源は、新地哲己氏が1977年10月に創業したシンチデンキにまで遡る。創業当時は家電の販売が主体であったが、量販店の台頭で不振に陥り、業態転換を決意。84年8月に芝浦特機(株)として法人化した後、ビルやマンションの空調設備・住宅設備機器設置工事を手がけるようになっていった。そのなかで、新地氏は「環境」というキーワードの将来性に目をつける。「自然環境」保護の機運が高まるなか、まずはフロン類の回収を始め、求められる本当の「住環境」とは何かを考えるうちに、太陽光パネルを設置したマンションを自社で企画・施工するようになる。
 太陽光パネルを備えたマンションや住宅は今では珍しくないが、新地氏が考案した全戸別供給型太陽光発電付賃貸マンション「ニューガイア上石田」は、当時、経済産業大臣賞を受賞するほど先駆的なものとして、世間の注目を一身に浴びた。そして、そこでのノウハウの集大成として、メガソーラー事業に進出。2009年に芝浦グループHDを立ち上げ、短期間に圧倒的な実績を残すことになる。とはいえ、グループ総勢100名余りの同社は、今のところ紛れもない中小企業である。新地氏が常に口にする「時代を読み」、「変化」を恐れず、「工夫」を重ね続ける努力、なにより蓄積した技術力を新たな道に活かす独創性が、躍進の原動力になっていることは間違いない。

(つづく)
【田口 芳州】

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