2008年８月に経営破綻した福岡市の不動産管理会社「丸美」の架空社債発行事件で、詐欺罪などに問われた丸美の元会長、金丸近被告（60）に対し、７月３日、福岡地裁（松藤和博裁判長）は懲役６年、罰金300万円（求刑懲役８年、罰金300万円）の実刑判決を言い渡した。

　判決によると、金丸被告は06年８月から07年４月、架空の会社名義の社債計40枚を偽造、合計６人に約１億6,800万円で購入させた。さらに08年６～７月、丸美が債務超過状態で預託金を返還できる見込みがないのにリゾート会員権を56人に販売、約１億4,900万円をだまし取った。金丸被告は詐欺と有価証券偽造・同行使罪については「金は返すつもりだった」などと否認。同被告の弁護人は「控訴を検討する」との声明を出している。

　金丸氏への判決が下ったことで、関係者は「金丸会長のせいで人生を棒に振ってしまった。今までの過去を振り返ると、なおさら怒りが込み上げてくる。しかし、裁判が始まったことで、事件の呪縛から解放されつつありホッとしている」と、今の心情を語る。しかし、懲役６年の実刑判決に関しては、「事件に巻き込まれた苦労を考えると（金丸氏への）非常に軽すぎる」と、怒りをあらわにした。

　当時、大きくクローズアップされたこの詐欺事件だが、被害を受け、今もなお苦しんでいる人たちも多い。

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