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福岡市の安全調査43件放置は人権蹂躙(後)~1級建築士・仲盛昭二氏
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2013年8月13日 07:00

 耐震偽装の「姉歯事件」が起きた2006年の際に、福岡市が構造強度の安全性を調査するとしたサムシング関与物件のうち、43件の調査を終わらせていないことがわかった。これに対し、当時サムシング代表で管理建築士だった仲盛昭二氏(1級建築士)が「殺人マンションなんてとんでもない。100%安全です。問題は、私ではなく、2年間も進捗しない福岡市、そのトップの高島宗一郎市長の責任こそ問われている」と語った。国交省九州地方整備局も「福岡市が自分で調査対象にあげたものであり、1日も早く完了するように、再三求めている」としている。仲盛氏は「8月1日の私への国交省聴聞会で、全ての物件の疑惑に終止符を打ってきました」と話す。福岡市は、耐震偽装と一方的に発表したまま、調査を完了しないのはなぜか。仲盛氏にインタビューした。

<いつまでさらし者にするのか>
 サムシングの物件約800件は100%耐震基準を満たしていると断言できます。私の場合、姉歯事件とはまったく違うからです。もともとが、耐震性になんら問題のない3件を、福岡市があたかも姉歯事件と同次元のように発表し、マスメディアがセンセーショナルに書き立て、行政とメディアが"でっちあげた事件"だからです。
 私は、会社の代表でしたから「トップである私に責任がある」、「私に仕事をくださった意匠設計者および施主に絶対に迷惑をかけられない」、「オーナーに資産価値を下げさせたくない。居住者に一日も早く安心してもらいたい」という思いで、自分1人が矢面に立って、サムシングが構造計算を手がけた約800件の建物はすべて、安全性を検証しています。

nakamori.jpg 7年前の福岡市の発表はあまりに一方的でしたから今でも納得はしていませんが、福岡市が、住民の安全のために国民に正確な情報を開示することは、建築基準法の建物の安全性を確保する趣旨にかなう行為だったとして、行政としてはやむを得なかったのだろうと思っています。行政には行政の立場がありますから。

 しかし、福岡市自らが偽装があるとして調査対象にあげた建物の調査が約7年たっても終わらないというのは、人権侵害もはなはだしい。もともと完全にシロだったのを、言い分も十分に聞かずに一方的に"犯人扱い"して公表し、調査をしていったらすべてシロ、安全だったのです。
 福岡市はいつまでも調査を完了させないで、私を「灰色」だと印象づけたいのですか。それとも、調査が完了して、私が完全なシロ、すべて安全だったとわかることが、福岡市にとって困るんですか。福岡市は、いつまで私に対する人権侵害を続けるんですか。このままでは、自分の名誉にかかわります。

<「市民の安全のため」と言った福岡市が7年間も放置>
 本来なら、建物のオーナーに対しても、住んでいる人に対しても、1日も早く調査を終えて、安全宣言するのが自治体の責務なのに、約7年間も調査が終わらないのはなぜなのか。あのときの発表は、情報が寄せられてわずか5日間。行政にとっては、住民の安全のためにはそれほど緊急性がある問題だったのでしょう。当時、福岡市の担当者は私に「市民のために安全確認して、住民を安心させるためにやっている」と言いました。
 ところが、同じ問題が約7年間も放置されている。福岡市は、住民の安全を守るつもりはないんですね。建築物のオーナー、居住者に対して、住民の安全・安心確保を放棄したと言わざるを得ません。福岡市は、調査が2年間進捗しない理由を示すべきです。

 福岡市の調査が1日も早く完了することを願っています。住民たちの安全・安心の確保という自治体の責務を福岡市は果たしてください。
 耐震偽装の疑いをかけておきながら、何年間もさらし者にするのは人権蹂躙のなにものでもありません。私は、この問題が完全決着するまで、現役設計士としてたたかい続けていく覚悟です。

(了)

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