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トップ保険マンがなぜMBAを求めるのか(2)
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2013年9月24日 14:38

 MBAとは「Master of Business Administration」の略で、通常「経営学修士号」と訳される。国内では、MBAの学位を取得しても必ずしも給料が上がるわけでもない。出世できるわけでもない。それなのに、多くのやり手ビジネスマンがMBA教育を受けようと、時間をやりくりして自腹で経営大学院、ビジネススクールに通う。『I・B』1870号の特集「MBAの価値を問う」は、あるトップ保険マンがMBA教育の素晴らしさを語ったことから実現した。特集の取材に当たった2人の記者が、トップ保険マンをはじめとするやり手ビジネスマンがMBAを目指す心理と背景を探る。

<やり手ビジネスマンもMBAを目指す>
福岡校で学生の相談相手と なっているグロービス卒業生 記者I 『I・B』1870号3ページでは、MBAの学位取得自体に威力があるわけでもなく、また企業からの派遣・補助など受ける人もそんなに多くもないにもかかわらず、MBAを目指す人がたくさんいる背景として、社会全体の流れとの関連を挙げています。「不況が続くなか、時間的に余裕がある人が増えている」、「仕事をしながらも一生勉強をし続けなければならないという意識が社会のなかに定着してきた」と。
 ただし、前者については、時間的に余裕がある人が増えていることが多少は影響しているくらいの話で、実はかなり忙しい人も時間を捻出して通っています。たとえば、結構名前が知られているある経営者は、グロービス経営大学院福岡校の単科コースに2週間ごとに土曜の午前と午後通い、3カ月間に2科目、3単位の取得を目指しています。何回も全国的な表彰を受けているトップ保険マンや有名企業の経理部長も、2週間に1回単科コースに通い、単位数を積み重ねています。いずれも来年4月にスタートする本科に通い、MBAの学位取得を目指すつもりだそうです。

 記者K いずれもMBAに通う必要などなさそうな方々ですが...。

 記者I ところが、そういう方々が授業を受けてみると、ショックを受けるそうです。自信があったのに、自分にも足りないところがあったということに気がつくそうです。そして、学ぶことによって、わかるようになる、できるようになるという経験をして、「一生勉強」という意識を強めていきます。今はまだ、「一生勉強」だとわかっていても実行までできる人は少数派ですが、学んでいく過程で貴重な人間関係が得られることもあって、皆さんすっかりはまってしまうようです。そういう体験を体験者自身が語ったり、体験者の周りの人がいいなと思ったり、大学院側がうまく宣伝したりというなかで、新たな体験者が生まれるというサイクルがうまくまわっているように感じています
 取材過程では、今MBAの勉強をしている上司の姿を見て自分も通うことにしたという人にも出会いましたし、社員を大量に通わせ、勉強させている会社があるということもわかりました。全体の8割くらいの人は自腹で通っているのですが、社員教育としてMBAコースをうまく使っている会社もあるようです。また、オープンキャンパスでは模擬授業を行なっていて、参加すると「自分も勉強して変わる必要がある」という気にさせられました。実際に通ってみた後には、さらに良かったという気持ちになる人が多いようです。

<学生の高い満足度>
 記者K 勉強を始めてからも満足度が高いというのは、自分がレベルアップしているという実感があるから、そして同じ志や高い意識でものごとを見ることができる人たちとつながりを深く持つことができるからでしょうね。自然と異業種交流もできますし。また、学んでいくうちに仕事もうまくできるようになって、確実な実績が周りを納得させるということもあるでしょう。なかには「生まれ変わった私」を実感された方もいらっしゃるようですね。

 記者I 「人生が変わった」という話は何回も聞きました。自分はこんなにだめだったけれど、ここで勉強することによって仕事ができるようになって、周りからも評価されるようになって、自分でも自信が持てるようになったという体験談を伺うと、お金の問題ではないなと思いました。『I・B』1870号3ページにも書きましたが、自分自身に「人生を切り開いていく力」があると実感できるようになること、常に学んでいく姿勢が身につくことなどは、得難い財産で、学生の満足度に大きく影響していると思われます。

 記者K 仕事の効率が上がるなどの実績を残すことによって、MBA教育を受けることへの理解者が周りに増えるという「良い形での循環」ができていくといいですね。

 記者I 一般的には、MBAの学位をとったので給料が上がるというようなことはそれほどないのですが、ベンチャー企業などでは人材を必要としていますから、転職などによって300万円ほどの学費を取り戻し、十分におつりがきているという状態の人もいます。こうした話をすると、学生の間からはどよめきが起きるそうです。自分の時間もお金も使って大変な思いをするのに、それでも学ぼうとする人がいるのには、こうした一面もあるかもしれません。

 記者K 九大のビジネス・スクール(QBS)でも、学費や時間を掛けた分、満足できた、取り戻せたという思いを持っている人が多いようです。

ビジネススクールで歓談するやり手ビジネスマンたち

(つづく)
【文・構成:石坂 文】

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