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コダマの核心

とうとう逮捕者が出た「徳田ファミリー」の人々(前)
コダマの核心
2013年11月18日 12:04

 医療法人徳洲会のグループの公職選挙違反事件で、東京地検特捜部、鹿児島県警は11月12日、徳田虎雄・前理事長(75)の長女、越澤徳美(なるみ)容疑者(50)と二女、スターン美千代容疑者(46)のほか、グループ幹部4人を逮捕した。病院職員に報酬を支払ったうえで二男、徳田毅衆院議員(42)(鹿児島2区)陣営で選挙運動させた公職選挙法違反(運動員買収)容疑だ。特捜部は虎雄氏を主導者と断定したが、療養中のため身柄拘束は見送った。徳田ファミリーと虎雄氏の側近で、元専務理事兼事務総長の能宗克行氏との内部抗争は、ファミリーから逮捕者を出す事態にまで発展。徳洲会グループは創立後、最大の危機を迎えた。

<一族郎党の面倒を見た「家父長」徳田虎雄>
徳田ファミリーの『家父長』である虎雄氏.jpg 徳洲会の創始者、徳田虎雄氏は「家父長」そのものの人物である。家父長とは、家族に対して生殺与奪権を含めて絶大な権力を振るうことを言う。
 虎雄氏は2男5女の子だくさん。子どもには厳しい。帰宅時には、子どもたちに正座で迎えさせ、自分を「理事長」と呼ばせた。子どもの進路も虎雄氏が決めた。四女と二男を除き、徳洲会の医師に育てた。有無を言わせなかった。子どもたちは恐ろしい父親に近寄らなかった。
 弟3人は虎雄氏が学費を出して徳洲会の医者にした。娘の夫たちも徳洲会グループで雇った。虎雄氏が、一族郎党の食い扶持の面倒を見た。日本の社会では絶滅危惧種となった最後の「家父長」といっても過言ではない。徳田ファミリーの面々を紹介する。

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<逮捕された長女と次女>
 徳田ファミリーが病院経営に介入するのは、虎雄氏が2002年に難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症してから。耳は聞こえるが、言葉は発せない。目だけは動く。会話は介護する秘書が文字盤を使うことで行なわれる。その後、病状が悪化し、妻と長女と二女の女性ファミリーが中心になって、病院への関与を始める。

 【妻】徳田秀子氏。鹿児島県徳之島出身で、虎雄氏とは幼馴染み。近畿大学薬学部卒の薬剤師。虎雄氏が大阪大学医学部在学中に結婚した。当時は虎雄氏の父が亡くなり、虎雄氏が徳之島から弟たちを大阪に呼び寄せた。2男5女の子どもたちは2段ベッドのある一室で寝起きするなど、生活は苦しかった。肝っ玉母さんさながらの奮闘ぶりであったという。徳洲会副理事長。

 【長女】越澤徳美氏。東海大学医学部卒。徳洲会グループの病院の勤務後、徳洲会のグループ病院に医療機器を納入する(株)徳洲会社長(逮捕直前に辞任)。容姿は父に酷似している。夫の越澤靖久氏は税理士で、(株)徳洲会の副会長。彼女は徳洲会グループの人事面を仕切っていた。職員には経費削減を徹底させる一方、自分は1億9,000万円で購入した千代田区の高級マンションに住み、高級車を乗り回していたと非難された。

 【二女】スターン美千代氏。金沢医科大学を卒業した眼科医。徳田ファミリーは父親似のふっくらした体型が多いが、長身のすらりとしたスタイルの良さで目立っている。金沢医大を上位5番以内の成績で卒業、学校から表彰された。徳田ファミリーのなかで学業成績が最も優秀だったという。
 卒業後は奄美大島などの島々で医師として勤務した後、東京・赤坂に医療法人社団星英会眼科スタークリニックを開設して理事長。医療法人徳洲会理事のほか、数々の関連会社の社長(逮捕直前に辞任)を務めた。情熱的な彼女はたびたび恋愛騒動を起こしたが、患者のアメリカ人男性と結婚。夫のアーサー・スターン氏は徳洲会東京本部の海外プロジェクト執行役員。
 彼女は虎雄氏の金庫番を務めた。長年、虎雄氏の腹心だった能宗氏が内紛抗争で去った後、虎雄氏の「美千代にやらせろ」の鶴の一声で、資金面を担当するようになった。子どもたちのなかで、虎雄氏の信頼が篤い。

(つづく)

| (後) ≫


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