アイ・ケイ・ケイ（株）

　国内では、大都市への進出を検討、海外での事業展開については、現地を熟知したパートナー企業を選別するための調査研究を続けているそうだ。
　「私の仕事は情報を収集、分析し経営判断を下すことです。任せられる仕事は、できる限り部下に委譲するようにしています。事業戦略も常に進化しています。今期はホームページやパンフレットをリニューアルし、パンフレットは『感動』の結婚式に関するエピソードをまとめた冊子を新たに創りました。結婚式の重要度や感動を訴えることで新たなマーケティングツールとして活用していく予定です。常に、時代の先を行かなければなりません。企画はすべて20代、30代の若手スタッフに任せています」（金子社長）。

　理念浸透、安定経営、上場、市場のポテンシャルと、企業として飛躍できる要件は出そろった。あとはいかに適した人財を集めるか。ブランド力や知名度の一層の浸透がリクルーティングのカギを握る。

＜食の安全を追求し、ISO22000を取得＞
　2009年にホテル・ウエディング業界で初めて取得した食品安全マネジメントシステムの国際規格ISO22000（福岡支店認証取得）は、同社のブランド力、知名度の向上に大きく貢献しているはずだ。
　昨年、飲食業界で相次いだ食品偽装、今年に入り多発する食中毒。同社はこうした問題が発生する以前から、食の安全安心、衛生管理に徹底して取り組んでいる。

　ララシャンス博多の森（福岡市博多区）で取得したISO22000に基づき、社内ルールを厳格化した。まず食材は賞味期限を遵守し、廃棄処分を徹底している。ノロウイルスにもオゾン噴霧器による調理室の殺菌・消毒から、器具の整理整頓・消毒、冷蔵・冷凍庫の温度管理、酸・アルカリ水の利用までと、調理環境の衛生管理を厳密に行なうことで対処している。
　さらにスタッフの健康管理についても、厨房・サービススタッフには毎月、それ以外のスタッフにも四半期に１回の腸内検査を義務づけている。牡蠣の食用は禁止で、嘔吐・下痢の場合は、陰性の診断が出るまで出勤できない。

　「弊社は1993年10月に食中毒を出してしまったことがあります。そのときの経験を真摯に反省し、衛生管理に対する社員の意識改革を行なってきました。ノロウイルス対策についても、対処法をマニュアル化しています。空気中に浮遊するので100％除去することはできませんが、99.9％安全・安心な環境を目指して、そのための施策を打つことと、いかに持続させていくかが重要だと考えます」（金子社長）。

　食の安全安心と衛生管理は、表に見えない。しかし、愚直にやり続けることでリスクは大幅に軽減できる。コスト的にも、万一の被害による損失より、はるかに低い。ISO22000の取得は社内に高いハードルを課し、社員の意識変革をもたらす一方、ウェディング業界を代表する企業として高いロイヤルティを生む。同社は一歩ずつ一流企業に近づいている。　

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＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：金子　和斗志
所在地：佐賀県伊万里市新天町722-5
設　立：1995年11月
資本金：３億4,763万円
ＴＥＬ：0955-22-2800
ＵＲＬ：http://www.ikk-grp.jp/

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