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「戦い」を支えたのは一級建築士としての誇り(1) 建物は「人」が造り「人」が住む | 建設業界への提言
特別取材
2008年1月30日 10:07

 建設業界への提言として、2005年11月に起こった姉歯秀次被告による構造計算書偽装問題の余波を受け、「第2の姉歯」と揶揄されて2年間もの裁判を余儀なくされ、現在もなお孤軍奮闘している仲盛昭二氏(元(株)サムシング代表)の生き様とその思いを伝えていきたい。本題に入る前に、当シリーズの意義を説明しておく必要があるだろう。

 現在、日本の建設業界はさまざまな問題を抱えている。とくに、業界に最も悪影響を与えた問題としてよく挙げられるのが「改正建築基準法」。この法改正は、何も確認申請が遅れて建物が造れないという問題だけではない。それにより、業界の景気が悪化しているのはもちろんだが、さらに深刻なのは、建築の担い手(施工に携わる職人や構造設計士などの技術者も含めて)の数が減っているということである。

 建物を造るのは「人」である。その「人」が業界に魅力を感じなくなったり、もしくは不透明な先行きに不安を感じて業界を離れたりすれば、残った人への過重な負担や若手への技術伝承の断絶によって、全体的に製品の質が落ちてくるのは自明の理である。

 そうなれば、なおさらそのリスクを「住民」が背負うことになるのである。つまり、「住民」のための法改正が、結果的にはリスクを「住民」に押し付けることになってしまうのだ。

 そもそも、なぜこのような状況になったのか。それは周知の通り、姉歯秀次・元一級建築士による構造計算書偽装問題が発端となっている。この問題は当時、建設業界・建築行政のさまざまな問題を浮き彫りにした。これ自体は大きな罪であるし、このような事態を引き起こす温床が業界・行政双方にあったのも事実であろう。

 そして、ここで国交省や福岡市がとった措置によって、仲盛氏が「第2の姉歯」というレッテルを貼られてしまうのである。

 我々は、この「第2の姉歯」と言われた仲盛氏の生き様を描くことで、孤軍奮闘する氏へのささやかな支えになればという気持ちもあるが、むしろ、今の日本の建築行政が抱える問題を、姉歯事件とは異なる視点から浮き彫りにし、「住民の安全」とは何か、ということを改めて問い直すことが主たる目的である。

 それは仲盛氏も望むことで、「私のことはともかく、早くこの問題を片付けて、住民の方たちを安心させてあげたい。また、今の行政はいろいろな問題を抱えている。それを皆の力を合わせて少しでも良くしていきたい」と、その率直な気持ちを語った。

つづく


[プロフィール]
仲盛 昭二 (なかもり しょうじ)                    
協同組合 建築構造調査機構 一級建築士事務所
参事(技術担当)
1951年2月8日、福岡市博多区生まれ。
九州産業大学卒業後、日本建設(株)に入社。
1978年、独立し、昭和設計事務所を創業。
1980年2月、設計工房サムシング(株)を設立し、同社代表取締役に就任。
2002年9月、サムシング廃業。
その後の現在に至るまでの詳細は、本文にて紹介。

▼共同組合 建築構造調査機構
http://www.asio.jp/

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