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風雲急の通常国会(2) 「ブリッジ法案」で最後の賭けに出た福田 | 政界インサイドレポート
特別取材
2008年1月28日 16:18

◆「府知事選勝利」で自民が反転攻勢

「決戦が2ヶ月早まるぞ」
 民主党の小沢一郎・代表は党内に非常事態を宣言し、臨戦態勢を指示した。
 ガソリンの暫定税率廃止を掲げる民主党の抵抗で予算関連法案が3月までに参院で採決されなければ、4月1日から暫定税率の期限が切れ、ガソリン料金は自動的に1リットル25円程度下がる。その実績をテコに、予算審議が大詰めを迎える4月はじめに福田政権を解散・総選挙に追い込むのが民主党の戦略だ。

 ところが、政府・与党はそうした事態を避けるために、予算関連法案とは別に、「ガソリン値下げ」をさせない『ブリッジ法案』を議員立法で提出し、1月中に衆院で強行採決する方針を固めた。同じ内容の法案を2本出すという異例な手法だ。
「大阪府知事選の大勝で天の時はこっちにある。多少、無理筋でもやるしかない」

 伊吹文明・自民党幹事長、北側一雄・公明党幹事長をはじめ、与党幹部は大阪府知事選翌日の1月28日、福田首相にそう決断を迫った。この方法なら予算関連法案の参院の審議が長引いても、憲法の「60日規定」(60日以内に参院で採決しなければ否決されたとみなされる)を適用してブリッジ法案を3月末までに衆院の3分の2で再可決することで、ガソリン料金を下げずにすむ。
 民主党の戦略を空振りさせようという破れかぶれの”禁じ手”といえる。
 民主党国対幹部が怒るのは当然だ。
「与党が法案を採決すれば、審議拒否だ。国会は空転、日銀総裁など国会同意人事はすべて否決する。日銀総裁は3月から空席になる」

 まさに与野党決戦が「1月末」に早まりそうな雲行きになってきた。

◆動き出した「トロイの木馬」

 自民党は昨年暮れからこのチャンスを狙って布石を打っていた。森喜朗・元首相や中川秀直・元幹事長は、
「1月に何かが起きる。民主党は割れるぞ」
 側近議員たちにそう予告していた。
 動きは現実となった。民主党の参院側から、渡辺秀央氏と大江康弘氏らが、「暫定税率反対」をぶちあげ、反旗を翻したのだ。
「民主党内で衆参39人の署名を集めた」
 大江氏らはそう公言して党内を撹乱し始めた。参院の同調者が増えれば、野党の過半数が崩れかねない事態である。菅直人・代表代行は慌てて「除名すべきだ」と鎮圧に乗り出した。

 造反部隊の背後にいるのは自民党の二階俊博・総務会長だ。和歌山県議出身の大江氏は二階側近として知られ、昨年の参院選の際には、民主党の比例代表候補として出馬しながら、地元・和歌山でで「選挙区は自民党の世耕、比例は大江をよろしく」と運動をして党内で目をつけられていた。
 菅側近議員は2人の離党は織りこみ済みのという。
「渡辺と大江は同じ比例代表なら当選しやすいから民主党から出たが、最初から反小沢で離党のタイミングをうかがっていた。いわば二階が送り込んだトロイの木馬だ。ブリッジ法案に確信犯で賛成し、それで除名されれば大手を振って出て行けるから計算通りだろうが、民主党からの同調者はほとんどいないはずだ」

 ただし、民主党と統一会派を組む国民新党もガソリン暫定税率廃止に反対しており、同党が統一会派を解消して民主離党組と合流する可能性もある。
「今回は民主切り崩しの第一段階だ。さらに二の矢、三の矢がある」
 自民党国対幹部はそう語る。

 もっとも、「石橋を叩いても渡らない」といわれる福田首相が、自民党内の道路族議員たちの誘いに乗り、大阪府知事選の勝利を「信任を得られた」と勘違いしてブリッジ法案提出に突き進めば、国民から思いがけないしっぺ返しを受けるはずだ。

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