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企業生命は人の営為で決する 再生への意志が早期再建を導く(1) 城山観光(株) | 企業再生シリーズ
特別取材
2008年4月 4日 10:50

 「企業再生」―それは文字通り、経営が誤った方向へ導かれ没落して「死」に至った企業を「再生」させることである。個人は死ねばすべてが終わりかもしれないが、法人はそういうわけにはいかない。死に体となったときの社会的損失、ステークホルダーの損失は計り知れない。端的に言えば、多くの従業員が路頭に迷い、多くの取引先が連鎖倒産する恐れがあるのである。

 したがって、「再生させる価値」がある企業は極力支援して再生させなければならないし、経営陣が再生するように手を尽くす義務がある。本稿では、1年前倒しの再建を果たした城山観光㈱を取り上げ、「企業再生」のあり方について見ていきたい。

主幹事業で堅調な業績

 3月19日、「城山観光、再建1年前倒し」という報道発表がなされた。城山観光㈱は2006年4月1日から、私的整理ガイドライン(指針)に基づき、新体制のもと経営再建に乗り出す方針を打ち出していた。私的整理の場合、通常は3年計画であるが、それを今年度末に1年前倒しの2年間で計画目標を達成するということで話題になった。
                 
 人事については、現社長の大西茂氏は続投し、新年度となる4月1日からホテル事業とは客層や施策も異なる遊技事業を㈱モリナガとして分社化、社長には松元哲朗副社長(鹿児島銀行出身)をあてる。また、再建計画終結に伴い、西岡信寿副社長と金野加多男常務(ともに三菱UFJ信託銀行より出向)は退任し、後任の副社長にはオークラガーデンホテル(上海)を運営する野村・中国投資の伊牟田均副社長(鹿児島市出身)を起用する。

 また報道では、前倒しが可能になった理由として、(1)本業のホテル・遊技事業の業績が好調、(2)不動産の売却価格が予想の3倍だったことが挙げられている。(1)については、07年3月期における売上高が約625億円で、08年度末目標の103%を達成し、営業利益が20%以上、経常利益が40%以上も当初計画値を上回った。

 (2)について再建計画では、05年3月期時点で長短合わせた借入金に社債を含めた有利子負債約641億円を、11の金融機関が債権放棄や債務の株式化(DES)で約300億円に圧縮、さらに福岡市の温浴施設「福岡・薬院しろやま乃湯」や鹿児島の「入来城山ゴルフ倶楽部」のほか、保有不動産なども売却して約130~150億円にまで圧縮する方針だった。報道発表では、有利子負債残高が約120~130億円とされているが、「数字は公表していない」(同社)ため正確な数字は不明。
 
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 また、「遊技事業を100%連結子会社化してホテル事業に特化」という報道についても、「たしかに遊技事業については100%出資で㈱モリナガという別会社を設立するが、ホテルだけに特化するのではなく、ともにコア事業と見ている。あくまで対等な関係、2枚看板としてホテルと遊技を競わせ、互いに刺激し合う関係を目指している」(同社)という説明であった。

つづく

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