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特別取材

M&Aの明暗(前) | コダマの核心レポート
特別取材
2008年6月12日 14:00

 事業継承のひとつとしてM&A手法が注目されている。ある経営通は悟ったように「M&Aの90%は失敗するから意味がない」と切って捨てる。「であれば、事業継承を深刻に悩んでいる中小企業に的確な処方箋を提示しろ」とこの経営通に問いたい。後継者のいない中小企業のなかで「いかに事業継承をしようか」と頭を痛めている経営者が続出している。この局面打開のために、中小企業の領域でM&Aが頻発している。その悲喜交々をレポートしよう。

M&Aの声がかかるのは優等生の証

 経営者が次期世代にバトンタッチしようとする際には厳しい査定が待ち構えている。経営者通信簿である。A社の場合は業歴30年で会社を売却した。売却価格には資本金の25倍という値がついた。昨今、上場しても25倍の値がつくケースは稀である。A社の経営者はサラリーマンから身を起して30年間、「潰すような赤恥を絶対にかかない」と自問自答をしつつ、一心不乱に頑張ってきた。結果、資本金の25倍の企業価値を得るという、上場するよりも高い評価が下されたのだ(A社のケースは後で触れる)。

 企業買収の最前線に立ってみて言えるのは、中小企業の5分の1しか“買われる資格”を有していないという冷厳な事実だ。言葉を換えれば「M&Aの対象になる中小企業の経営者は優秀な成績を修めた」という証なのだ。残された8割の企業は、苦しい状態で茨の道を歩み続けるか、倒産するしか方策は無いのである。優勝劣敗の厳しい経営戦争において、「経営を行ない功労して良かった」と充実感を抱ける中小企業の経営者は幸せだ。

 ある会社の経営者に「御社を買いたいというオファーが入っている。」と商談を持ちかけた。「社員から抜擢しても経営を持続させることが無理なのは分かっている。身内に譲る可能性はわずかに残っているから、企業存続の判断にはまだ少しの時間が必要だ。ただどうであれ、他人様に会社を売ることはしない。会社を整理しても誰にも迷惑をかけないし、飯は食べていける。」と語るこの経営者は見事あっぱれ! 整理できるだけでも素晴らしい。この会社には2億円の価値がある。決断すれば2億円握れるのだが。

つづく

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