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【連載】苦境を打開できるか 心血注ぐべきは地場経済への貢献(3) 岩崎グループ | 企業研究
連載コラム
2008年6月 5日 13:37

多額の借入金がネック


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 岩崎グループの事業内容と業績について見てみよう。グループ全体の07年3月期の売上高は約660億円。このうち、岩崎産業は主にガソリン・木材販売事業で204億4,837万円(単体)、いわさきコーポレーションは主に連結子会社15社による陸海運送事業・林業・放送業などで236億3,930万円(連結)を計上している。

 他の関連会社として、指宿・霧島・種子島・屋久島のホテル・ゴルフ場を運営するいわさきホテルズ㈱や、芳太郎氏の妹・麻友子氏が代表を務める焼酎製造・販売会社の白露カンパニー㈱などがある。

 岩崎産業の財務内容については、ここ3期の売上高は200億円前後で推移しているものの、07年3月期(単体)で営業利益876万円(前期比91.9%減)、経常損失8億2,300万円(4期連続の赤字)と厳しい状況である。

 経常損失の発生要因は、有利子負債514億1,004万円の支払利息が15億829万円(率7.3%)に達しており、営業外損失8億3,176万円を計上したため。ただし、特別損益段階で36億1,178万円の黒字を出したことで、当期利益は何とか13億9,910万円を確保。
 
また、財務指標を見てみると、土地再評価差額金105億6,259万円で純資産が確保されているが、自己資本比率は13.0%と今ひとつ。さらに流動比率46.0%、当座比率6.6%、借入金依存率53.28%と、いずれも適正基準値を下回っており、脆弱な財務内容となっている。

 財務事情に詳しい人物に話を聞いたところ、「純資産が残るのが不思議だ」と感じる内容らしい。また、純資産の土地再評価差額金についても、「実際に売れる土地は減っている」と聞かれる。

 一方、いわさきコーポレーションは、07年3月期(連結)は前期比約1.6%減の236億3,930万円であったが、毎期おおむね増収傾向。しかし、営業損失8億3,182万円(前期比3.5%減)、経常損失7億347万円(4期連続の赤字)とこちらも厳しい。有利子負債も188億9,799万円(支払利息5億4,931万円)と借入過多の状況。
 
 また、同社の財務指標を見てみると、自己資本比率は4.0%とかなり低水準。また、流動比率32.2%、当座比率10.9%、借入依存率54.8%と、岩崎産業と同様に脆弱な財務内容である。

 なお、経常損失の要因について同社は、(1)バス事業の規制緩和による競争激化、少子化による通学者の減少、生活維持路線の補助制度変更による補助金の横ばい、(2)鹿児島−種子島・屋久島航路の高速船事業で不当に低価格な運賃による競争を強いられたことによる収入減、(3)急激な原油高騰による大幅なコストアップを運賃転嫁できなかった、という3点を挙げている。

 同グループの主力事業は積極的な先行設備投資が不可欠なため、借入金が膨らむのは分かるが、それにしても依然として財務内容に課題を抱えているのが分かる。

つづく

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