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積水ハウス100周年へ、生き残りをかけた経営戦略はあるか(20)
連載コラム
2011年7月11日 07:00

<中国進出のリスクを乗り越えられるのか(1)>

 積水ハウスは2006年から成長の勢いが止まっている。積水ハウスの損益計算書B/Lの各指標の増加傾向が維持に止まり、または減少している。この現状から、国内市場には期待できないとして、海外に目を向けたものと思われる。

頂点へ ちょうどその年頃に業界NO1の座から滑り落ち、ライバルの大和ハウスに譲ることになった。今年(11年)、日本のスーパーコンピューターが7年ぶりに「世界1」に返り咲いた。事業仕分けで某大臣が「2位ではダメなんでしょうか」と言って、注目を集めた。やはり「トップでなきゃ」という感想を強く持つ。
 積水ハウスは30年維持したトップを明け渡したことが大きな影響を受けている。マスコミの対応も業界への取材はNO1の大和ハウスに対して行なわれ、大和ハウスの露出度は極端に高くなる。東日本大震災における仮設住宅建設の依頼も、まずは大和ハウスに業界の代表として、1万5,000戸を要請されたことを新聞は報じていた。このようにNO1とNO2では雲泥の差なのだ。

 国内の住宅需要の頭打ちで、突破口を海外に求めたと思われるが、日本が技術的優位、独自性を持つ工業製品、家電、通信、車などと違い、高層ビル、住宅の極度の技術的優位性はないのと思うが。中国での各建築現場が工場として考えると、日本での品質基準を保てるとは思えない。
 土工、大工などの職人に頼っている現場で、中国人の出稼ぎの人たちに品質の要求を守ってくれるよう、教育、指導ができるのだろうか。クレームの山になりはしないか。4~5年は赤字を覚悟せねばならないだろうと思う。中国進出はバラ色でも何でもなく、「相当な覚悟の上」の進出であると認識すべきだろう。

 本格的に積水ハウスの生産工場も進出する。工場に資材を供給する業者も追随を要求されるだろう。戸建住宅の受注が見込まれると見込んでの工場進出を決断したのだろうが共産党1党支配という異質な中国で戸建需要がどれぐらいあるのか、本気でマーケテイングしたのだろうか。

(つづく)
【野口 孫子】
※積水ハウスを中傷するものではありません。
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