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積水ハウス100周年へ、生き残りをかけた経営戦略はあるか(17)
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2011年7月 6日 09:10

<エコ戦略(4)~積水ハウスはエコ戦争に勝ち残れるか>
 積水ハウスは「エコファースト企業」として業界をリードしてきたが、まだ、ホンの入口にすぎなかった。今後はCO2排出ゼロの住宅を開発するため、凌ぎを削る競争時代に突入した。
 この競争に勝ったものが生き残れる戦いと理解すべきだろう。積水ハウスは、住宅の国内需要の減少を危惧して、2年前から海外へ進出する経営戦略へ転換したように見える。10年先には今の国内売り上げと匹敵する売り上げを目指すとしているのだ。

エコ戦争に勝ち残れるか 2年前、世界はクリーンなCO2を排出しない原発エネルギーを主力にしようとする動きになっていた。ドイツでさえ原発の見直しを行なっていた。そこに今年、思いもよらぬ大地震が発生、未曾有の津波により福島原発事故が発生。それまでの原発の安全神話は吹き飛んでしまった。クリーンなエネルギーとして、再生可能な自然エネルギーが一躍脚光を浴びることになった。

 積水ハウスは、ちょうど大市場の中国へ進出を決めたばかり、その中国に約500億円の投資を決めたばかりであった。リスクの大きい中国への進出、目論みはあっても、成果があるかどうかはわからない。中国への投資資金のため、500億の転換社債まで発行し、資金調達を市場から行ない、株価は中国への投資リスクを懸念するなどで、一時、今年最安値を付けてしまった。

 積水ハウスの規模であれば、500億円ぐらいは大きな問題でもないが、この500億円を国内の「再生可能なエネルギー」の開発に投資されたら他社の追随を許さなかったかも知れない。大規模なセキスイハウス・ニュータウンに、政府の支援を受けながら、いち早く「スマート・グリッド」を採用、街全体を太陽光、風力などの自然エネルギーですべてまかなう。車もプラグインハイブリッドまたは電気自動車、蓄電池メーカーとタイアップして、より小型の最新型蓄電池を開発し、各戸に設置する。「CO2ゼロの街」を実験的に行ない、世間にアピールすることができたのではないだろうか。

 50年前、市場に初めて登場した、珍しいプレハブ住宅、セキスイハウス・モデルハウスを、当時最先端の大阪、千里ニュータウンに展示、マスコミから大好評を得た。次元は違うが、国内住宅市場を革新的に活性化する有力な手段ではないだろうか。中国の投資がもう少し遅れていればと悔やまれる。
 現状のままだと、「環境に配慮している企業」というだけの域を出ないままに終わるのではないかと危惧している。

(つづく)
【野口 孫子】

※積水ハウスを中傷するものではありません。

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