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【連載】苦境を打開できるか 心血注ぐべきは地場経済への貢献(4) 岩崎グループ | 企業研究
連載コラム
2008年6月 6日 09:34

各金融機関と借入金の動向

 岩崎産業のメインバンクは鹿児島銀行(以下、鹿銀)で、ほかに商工組合中央金庫、日本政策投資銀行、三菱UFJ信託銀行、宮崎銀行、宮崎太陽銀行などがある。しかし、「鹿銀による新規融資は99年頃から見切りをつけられ始め、2年くらい前からストップしていると聞く。さらに、K信金も融資をしていたが、手を引いた。N銀行はある日突然、融資の打ち切りをした。Y銀行も1年で手を引いた」と、金融機関も入れ替わりが激しいようだ。

 また、短期借入金(約308億円)が長期の3倍近くと膨大になっているのは、「金融機関が長期貸付をしてくれないからだろう。借入金が返せるのか疑問だ」(関係者)とのこと。

 ただ、岩崎グループは鹿銀の大株主であるため、いきなり貸し剥がしが発生するリスクは少ないだろう。しかし、ある関係者からは「鹿銀は困っているのは株の処理だけ。今は審査部に専属チームを作って対応に当たっているようだ」とも聞かれ、「トリガーを引かれればどうなるか分からない」とも囁かれている。早期の借入金返済策の構築が課題となっている。

 ここでひとつ気になるのが、與八郎氏によって創立された財団法人岩崎育英奨学会(東京都世田谷区)による、岩崎産業への104億3,328万円もの短期貸付金の存在である。同会の07年3月期貸借対照表にも明記されているが、08年1月14日付けの西日本スポーツ新聞によれば、これだけ多額の貸付ができるのは同会所有地の売却益があるためらしい。

 しかし、財団法人は公益法人で、特定の企業に貸付を行なうことには疑問符がつく。財団法人から借入しなければならないほど、同社の資金繰りが逼迫しているのかと思われても仕方がない。
 
 これまで固定資産売却益などで、借入返済と利益創出を行なってきたようだが、外資系ファンドに売却予定であったホテルの買い手がつかないなど、今後は固定資産売却もすんなりとは行かないだろう。

つづく

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