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【連載】建設・不動産業界の悲鳴、増えた倒産 改正建築基準法の波紋を振り返る(7)
特別取材
2008年6月18日 09:48

結局このツケは消費者に・・・

 昨年9月21日、社団法人建築業協会(BCS)は、「改正建築基準法施行後の状況等に関する見解」を公表した。それによれば、6月20日の法改正後、3カ月が過ぎても建築確認手続きの停滞が続いており、着工後の変更について建築主が確認申請時に建築計画の詳細を確定させるのは難しく、着工後の計画変更が必要であることを指摘。法改正後の計画変更には原則として再度の確認申請が必要になっているが、BCSとしては建築の実態に即した制度運用を求めるとの考えを発表した。

 これに続いてBCSは、同10月2日に「改正建築基準法施行の円滑な運用等に関して」という要望書を国交省に出している。

 たしかに、今回の法改正で現場の頭を一番悩ませたところは、「些細なミスでも計画変更を1から見直さなければならない」ことで、再申請のために70日以上の時間が必要となり、その間、現場がストップしていたことである。
 
 当時、「どこまでの変更なら大丈夫なのか、何も分からない。実際にこれだけの大きなものを造るうえで、まったく変更のない設計図を作るほうが難しい。途中で何らかの問題がでることはありますよ。100分の1や1,000分の1のスケールが実際のものと違うのは当然でしょう」と、ある建築士は頭を抱えていた。

 また、ゼネコン関係者も「今でも3カ月はロスしていますが、まだまだこの問題は長引くでしょう。6カ月はロスが出るでしょうね。その間を持ちこたえられない企業もでるかもしれません。今は、仕事があっても、このロス分はあとで必ず影響が出ます。しかも、仕事が一気に増えると、5~6月に杭打ちが忙しく人手不足になったように、さらなる職人不足に陥るかもしれません。そうしたことまで、想定して対策を練らないといけません」と語っていた。

 さらに、「07年いっぱいはこんな状態が続くでしょう。工事は受注していても、確認が遅れるととりかかれません。とくに2次・3次下請業者は3~4カ月間も仕事がないと死活問題です。また、工事着工が同時期になる可能性もあり、下請業者(職人)不足や資材価額の高騰が生じます。そうなると、こうした状況をお客様にいかに説明すれば良いのでしょうか」と建築関連業者も、今回の法改正の影響が顧客へと波及することを憂慮していた。

 こうした悲惨な現状を、我々は行政にどう伝えていく必要があるのか。ある建築士は、「やはり一般消費者の声が必要となります。議員連盟が国交省に直訴して、ようやく9月25日に円滑化という話になりました。一般消費者の皆さんが政治家を動かし、行政を動かしていく必要があります」と語っていた。
 
 また、あるゼネコン関係者は、「こういう状態が続けば、いずれ建設コストは上がり、最終的には消費者に跳ね返ります。マスコミはもっとこの問題について取り上げてほしい」と訴えていた。

 ここでの各者のコメントの通りに、いやそれ以上に悪い状況になったこと、問題解決にほとんど進展が見られていないことは、現在の業界環境を見れば一目瞭然だ。

つづく

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 (株)データマックスは、8月26日に1,000人規模のシンポジウムを開催いたします。講師は北川正恭・早稲田大学大学院教授(元三重県知事)、木下敏之(前佐賀市長)、青木茂・(株)青木茂建築工房主宰などを予定しております。北川氏には「生活者起点」の行政改革派の立場から、木下氏には地方行政に関わっていた立場から、青木氏には建築設計に携わっている立場から、それぞれ提言していただきます。

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