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「政権禅譲密約」をめぐる麻生の打算と福田の計略――改造内閣はいつまでもつのか(下) | 政界インサイドレポート
特別取材
2008年8月 6日 09:40

「禅譲」をめぐる福田VS麻生の綱引き

 福田首相、麻生氏ともに総選挙になれば“後がない”のは同じだ。当然、麻生氏は早く首相交代に追い込みたいし、逆に福田首相は政権をできるだけ長くもたせようとする。
 2人の利害がまともにぶつかるのが解散時期の判断である。早くも確執は始まっている。
 与党内には「年末から来年1月」の解散との見方が広がっており、選挙近しのムードが高まれば、この秋にも与党内から、国民の人気が高く幹事長就任で評価を上げた麻生氏に首相を交代させようという“福田おろし”の圧力が強まるのは目に見えている。麻生氏を幹事長にしたのは福田首相にとって“両刃の剣”なのだ。政権を延命するには、解散を打ち消さなければならない。
 その意味で、改造内閣の顔触れを「総選挙シフト」と見るのは間違っている。
「安心実現」と「政策実行」――。
 福田首相は改造後の会見でそう掲げた。「早期解散は考えていない」というサインであり、首相の本音が来年9月の衆院議員の任期満了近くまで総選挙を先送りすることにあるのは間違いない。
 それを一目で見抜いたのが古賀誠・自民党選対委員長だった。
「この前まで、解散時期は『暮れか年明け早々か』と言ってきたが、『任期に限りなく近くなるんじゃないか』と変わらざるを得ない」
 古賀氏は改造直後の8月3日、地元の大牟田市での講演でそう語った。選挙の責任者の立場から、「現状で総選挙をやれば自民党は惨敗。150議席に半減する可能性もある」(自民党選対幹部)という事情をよくわかっているだけに、改造でも支持率は思ったほど回復せず、「解散を打つべきではない」と判断しているのだ。
 しかも、麻生氏は改造にあたって古賀氏の選対委員長ポストを「党4役から格下げ」するように主張したことから、「古賀氏は麻生氏への禅譲に反対の立場」(古賀派議員)といわれる。
 それは福田首相にも都合がいい。首相に近い町村派議員は「政権禅譲密約説」の真意をこう見る。
「福田首相の自民党総裁任期は来年の9月まである。来年の通常国会で予算を成立させ、7月の東京都議選後に首相が退陣を表明、総裁選を1ヶ月前倒しして実施する。それから新総裁の手で解散すればいい」
 麻生氏は、福田政権をあと1年延命させるために利用されたというわけである。
 だが、そうなれば事実上の任期満了選挙であり、「追い込まれ解散では自民党は確実に負ける」(小泉元首相)との見方が強い。そのときにたとえ麻生氏に首相の座が回ってきたとしても、解散を打つだけでわずか1ヶ月の政権になりかねない。
 早期解散を望む公明党幹部がこう決断を迫る。
「麻生政権をつくりたいなら、禅譲など期待しないで幹事長自ら手を汚して福田おろしのクーデターを仕掛けるしかチャンスはない。勝負はこの秋。麻生氏にそれができるかどうかだ」――。

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