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特別取材

みずほコーポレート頭取醜聞発覚 責任逃れの代償は大きい(上)
特別取材
2008年8月 7日 09:51

 衝撃的なショットだった。(株)みずほコーポレート銀行の齋藤宏頭取(64)がテレビ東京の美人記者と路上でキスをしているところを、張り込み中の「フライデー」に撮られたのだ。みずほに君臨するワンマン経営者の齋藤氏を嫌う行員が「刺した」のは間違いない。

行内からの通報

 しゃれた店が集まる東京・麻布十番、夜の街を年配の紳士と美しい女性が連れ立って歩いていた。旧日本興業銀行出身のみずほコーポレート銀行頭取・齋藤宏氏とテレビ東京報道局の林順英記者である。2人はキスだけでなく、ひそかに借りた情事用の隠れ家に入るところも撮られている。

 林記者は祖父母が中国出身で華僑系の家系だが、中国語はかたこと程度という日本生まれの日本育ち。1999年にテレビ東京へ入り、今年7月からみずほなどを担当する日銀クラブと兜クラブに所属していた。くっきりした目鼻立ちと豊かな胸、長身で手足が長く、クラブ内でも「美人」と評判だった。7月に入ってからのわずか数日間で齋藤氏にここまで食い込んでいたとしたら大したものだが、どうもそうではないようだ。「彼女が営業局でスポンサー回りをしていた頃に知り合ったらしい」と、テレビ東京のある記者は言う。

 齋藤氏は、派手な女性関係で知られていた。銀座のクラブの女性、みずほ行内の中国担当部署の女性らなど、噂に上った女性は枚挙にいとまがない。ダンディーで女性に優しく、とにかくもてるのである。妬みも多少働いているだろうが、今回の情事発覚は、みずほ行内からフライデー編集部への通報によるものだったようで「タレ込みがあったみたいです」と在京の経済記者は言う。それだけ齋藤氏は行内で恨みを買っていたのだ。

サブプライム損失を引き起こした齋藤氏の失策

 みずほコーポレート銀行の誕生以来、齋藤氏はずっと頭取の職に就いており、すでに在任6年を超え、長期政権化しつつある。どんな権力も長くなれば、腐敗を生みやすい。

 齋藤氏の場合、経営上の大きな失策があった。M&Aなど投資銀行業務に邁進しようと要員を傾注。不良債権処理や公的資金の返済も終わったことから、狭い日本を脱し海外市場を攻めようと、邦銀の国際化路線の先頭を走ってきた。

 その1つとして取り組んだのが、海外市場での証券化業務であった。06年12月、齋藤氏はフランスのカリヨン証券の証券化部門からチームの11人を丸ごと引き抜き、ニューヨークとロンドンで証券化業務を本格化させた。この引き抜き劇は、カリヨン側から「社員の引き抜きだけでなく当社の顧客まで奪おうとしており、商道徳に反する」と、損害賠償請求訴訟を起こされるほどこじれた。横並びで物事を荒立てない邦銀としては珍しく、みずほの攻撃的な姿勢が際だった一件だ。訴訟は後にみずほ側が和解金を払うことで決着した。

 ところが好事魔多し。引き抜いた証券チームが買い込んだ大量の住宅ローン債権のなかに、サブプライムローン関連のものが多く含まれていたのだ。売り出す証券化商品ができあがる前に、在庫で抱えていた住宅ローン債権がサブプライム危機に伴って腐り始めた。最終的に、みずほグループ全体の損失は6,720億円(08年7月末現在)に達した。国内の不良債権処理がようやく終わったところに、海外の不良債権を抱え込んだ格好。さらに、まだ損失処理を終えていない証券化商品の在庫が約1兆円もあるため、さらなる追加ロスが発生しそうだ。1月には、経営が悪化しているメリルリンチに1,200億円を出資したが、メリルの経営はさらに悪化しているため、出資金を時価に評価し直した際の減損処理が発生するだろう。9月中間決算で、前期に続いてロスを計上する可能性が高い。

つづく


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