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福田電撃辞任は自民党政治の終わり | 政界インサイドレポート
特別取材
2008年9月 2日 19:18

 総理大臣が2代続けて唐突に辞任表明するというのは、政治の危機という以上に、国民の不幸であり、国民生活の危機だ。政権運営に行き詰まれば解散・総選挙で民意を問うべきであり、自民・公明の連立与党は何枚看板を取り替えて“何もできない政権”延命するつもりなのか。自民党議員はトップの「無責任」を批判するのではなく、無責任な総理を2人も選んだ不明を恥じるべきだろう。しかも、次の「麻生政権」の新看板も先が見えている。いよいよ政権交代が近づいてきた。

 福田のクビを取った公明党の「連立離脱」恫喝

 安倍前首相が「プッツン辞任」なら、福田首相の場合はさしずめ“逆ギレ”辞任というべきだろう。
 1年前の安倍氏とそっくりな9月1日の辞任会見で、福田首相は一番言いたかったことを最後のひとことに込めた。
 「現在の政権? 自民党政権? 自民党・公明党政権ですか。それはね、順調にいけばいいですよ。これにこしたことはない。しかし私のこの先を見通す目の中には、その決して順調ではない可能性がある。そしてまたその状況の中で不測の事態に陥ってはいけない。そういうことも考えました。」
 やや回りくどい言い方だったが、自公連立の「不測の事態」を見通したのだと語った。
 理由がある。8月の内閣改造を機に、公明党は豹変した。それまでの「従順な連立相手」から、咆哮する“猛獣”と化して福田政権に難題を突きつけてきた。
 洞爺湖サミットの日米首脳会談で福田首相はブッシュ大統領に「インド洋での自衛隊給油活動継続」を確約したが、公明党はそれに「NO]と言い、首相が希望する臨時国会の8月下旬召集を拒否、召集は9月12日までずれ込んだうえ、国会会期を70日間に限定した。新テロ特措法の延長には野党が反対しているため、衆院の3分の2による再議決が必要と見られていたが、公明党が反対すれば自民党だけでは3分の2の勢力には足りない。公明党は事実上、拒否権を発動したのである(臨時国会の日程は福田辞任ですべてご破算)。
 追い詰められた福田首相に「退陣」を決意させたのは、定額減税問題だった。政府・与党が8月29日に決定した総合経済対策をめぐっては、福田首相や町村信孝・官房長官、伊吹文明・財務相らが赤字国債の発行につながる定率減税に強く抵抗したが、公明党は山口那津男・政調会長を先頭に強力な恫喝をかけたという。
 首相官邸の経済スタッフが語る。
 「公明党側からは、“もし、定率減税をのまなければ、連立離脱も辞さない”という意向が伝わって福田首相は涙を飲んで受け入れざるをえなかった。しかも、そのあと、勢いに乗った公明党は首相が9月12日に行なう予定だった所信表明演説についても、9月29日まで延期するように主張した。それで首相は“自分の意見は全く通らない”と緊張の糸が切れた。」
 辞任表明会見で、わざわざ「連立が順調ではない」と語ったのは、公明党への精一杯の”意趣返し”だったとみていい。

 麻生政権は超短命

 その公明党とガッチリ手をくんだのが麻生太郎・幹事長だ。麻生氏と北側一雄・公明党幹事長は小泉政権時代にともに政調会長のカウンターパートとして親交を結び、内閣改造で麻生氏が幹事長に就任した夜には、2人で祝杯をあげた“盟友”でもある。新テロ特措法や経済対策でも麻生氏は公明党と共同歩調を取り、「福田首相を守るのではなく、公明党の政権揺さぶりに加担する立場をとった」(町村派幹部)と言われても仕方がない。
 安倍と福田の2代の政権が、麻生氏が幹事長になると短期間でつぶれたというのも、この人の総理の座に賭ける執念と業のなせるわざかもしれない。
 しかし、麻生氏は福田首相が辞任を表明するといち早く総裁選出馬を表明したが、クーデター説で批判が高まった昨年の安倍退陣後のような批判は党内にほとんどない。
「麻生氏は常々、福田首相とは哲学が違うと言ってきた。財政規律を重視する福田首相に対して、麻生さんが選挙向けの大型経済対策を主張したのも持論を押し通したにすぎない。公明党が福田首相を見限って麻生さんの論に乗っただけだ。麻生さんが政権禅譲の密約などあてにならないとみて、自ら選挙に勝てる政策を考えるのは当然だ。福田さんは自分で転んだんだよ。」
 麻生派幹部は麻生―公明連携による「クーデター説」をそう否定する。
 「こうなったら総裁選を派手にやってマイナスイメージを吹き飛ばすしかない」
 自民党内では麻生氏の対立候補として小池百合子・元防衛相、石原伸晃・元国土交通相らが総裁選出馬に意欲をみせているものの、いずれも麻生氏と勝負できるほどの支持は広がっていないのが現実だ。これほどの危機になっても、党内の派閥領袖たちに「ここまできたら次は麻生で仕方がない」という勝ち馬に乗る心理が働いているからだ。総裁選は大波乱どころか、麻生氏への事実上の信任投票で終わりかねない。そうなればいよいよ自民党は終わりである。
 「麻生政権は選挙管理内閣。小池や石原、野田聖子など知名度の高い議員でオールスター内閣をつくり、ボロが出ないうちに解散・総選挙をうつことになる」
 与党内にはそうした見方が強いが、国民が何度も“毛ばり”に釣られると考えるのは甘すぎる。
 

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