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特別取材

きしむ保守王国 ―福岡7区― 道路族のドン、苦境に(上)
特別取材
2008年9月30日 15:46

古賀陣営「臨むところだ」

 「これで逆に陣営が引き締まる。臨むところだ」。9月25日、八女市のセレモニーホールであった野田国義・八女市長の出馬会見。民主党の小沢一郎代表と野田氏に報道陣のフラッシュが光るその影で、報道陣にまぎれて会場に潜入していた古賀誠後援会の幹部は、こう語った。

 運輸大臣を経験して「道路族のドン」と呼ばれ、野中広務氏の禅譲によって自民党幹事長を経験、小泉政権時代には郵政民営化法案を棄権し「抵抗勢力」と呼ばれた。日本遺族会会長、自民党選挙対策委員長、派閥の領袖と、自民党で絶大な影響力を握るまでになった古賀誠氏が、しかしこの秋、苦境に立たされている。

 業者とつなぐ?「誠橋」報道

 毎日新聞は30日付朝刊で、古賀氏が支部長を務める政治団体に献金した業者と、八女市の公共工事の受注との関係について「業者とつなぐ? 『誠橋』」の見出しで大きく報じた。他紙も後を追って報道しており、選挙戦を前に痛手となりそうだ。

 毎日によると、八女市の「朧大橋」の施工に共同企業体として加わった「(株)富士ピー・エス」(福岡市)が2002~07年に、古賀氏が支部長を務める政治団体に対して計158万円分のパーティ券購入や献金をしていた。

 通称「誠橋」と呼ばれるこの橋の事業費は約90億円とされ、多くは道路特定財源から支出されている。橋は完成後も交通量が少なく、「愛と誠橋」などと週刊誌に取り上げられた。また、民主党の菅直人氏が現地入りし、国会で「無駄な公共事業」「族議員の強いところに予算が優先配分されている」などとして取り上げた。

 確かに古賀氏の選挙区周辺では、大型公共事業が目白押しだ。有明海沿岸道路、九州新幹線船小屋駅、九州自動車道の新インターチェンジ(みやま市内)建設、県営広域公園の整備――と、ここ数年で相当のインフラ整備が進められている。

 「全国的に見てもこれほど公共事業の予算が付く地域はないだろう。古賀先生のお力添えの賜物」と公言する議員もいる。

 古賀氏が公共事業をつくる有力政治家とみられていることは周知の事実だ。地元の首長や議員、建設業者は、「逆らったら仕事がこない」と選挙応援などに付き合うことも少なくない。こうした政治手法には、利益誘導型との批判もあるが、「公共事業がなければ、食っていけない」というのも地方の本音だ。


 今週末ともいわれる衆議院の解散。県選管が29日に公表した政治資金収支報告書によって、政治と金の問題も表面化している。ネットIB取材班は、選対委員長への刺客で次期選挙の目玉となった福岡7区の動きを探る。

つづく

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