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特別取材

性悪説に立った淘汰政策か 実無き法制度を糾す(1)
特別取材
2009年1月15日 09:27

コラム「迷走する建築士業界」

 改正建築基準法の施行から1年以上が過ぎたが、いまだに建設業界への影響は拭いきれていない。国家機関が負うべき責任・権限とはいかなるものか、建設業界の果たすべき機能とはいかなるものか。国家機関と私的組織が担うべき機能と責任分担に関する議論を飛び越えた施策執行が根底にある。改正建築基準法の持つ根本的問題を明らかにし、再改正策を示し、真に国民のためにある建設産業の活動を取り戻す活動を行なっていかなければならない。

■抜本的な再改正が必要

建築基準法再改正を考える集い リードに掲げたのは、2008年9月13日に(株)希望社(本社:岐阜市)で、建築基準法再改正を考える会主催で行なわれた「建築基準法再改正を考える集い」の開催主旨の要約である。

 同社代表取締役会長の桑原耕司氏は会の冒頭で、「1950年にできた建築基準法自体が時代錯誤なもので、小手先の改正によって市民の生活を脅かすものとなってしまった。行政や政治家に直接訴えることで根本的な法改正をする必要がある」と述べた。

 次に高知工科大学教授の草柳俊二氏が、建設産業の抜本的改革策として「建設産業の特性である“官民が一体となって生産機能を果たす構造”を国民に理解してもらい、契約に関する意識を向上させ、プロフェッショナルを活用する産業構造をつくることが必要。確認申請、瑕疵担保などの建築構造物の品質管理問題は、これらの抜本的改革策なくして解決しない」と訴えた。

 最後に前佐賀市長の木下敏之氏が、「基本的に役人はコスト意識が無く、今回の法改正によっていくら被害が出たかなどの認識は無いだろう。役人には失敗しても責任をとらされないという慣例があるし、今回の件でも誰も責任をとっていない。ただ、失敗を許してきた民間にも責任はあったのではないか。本当に法改正を望むならば、業者側から議員や首長に声を上げていくべきだ」と述べた。

 参加者からは、「過剰で余分な安全確認が日本の建築技術の革新を阻害している」「もともと構造設計の希望者は少なかったのに、こんな現状ではいなくなってしまうだろう」 「日本は気候条件などで建築方法も変えるべきなのに、法は一括りにしてしまう」「今は人の力を借りて何とかしようという人が増えた。これでは社会は良くならない。デモなどの行動で示すべきだ」など、さまざまな意見が飛び出し活発な議論だった。 (つづく)

【大根田康介】

※当コラムは過去に情報誌『I・B』およびネットI・Bにて書いたものを集約し、加筆修正したものです。

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