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特別取材

性悪説に立った淘汰政策か 実無き法制度を糾す(5)
特別取材
2009年1月19日 09:30

コラム「迷走する建築士業界」

■大臣認定プログラムの諸問題

 改正建築基準法や改正建築士法と同時に大きな問題となっていた大臣認定プログラムの出荷遅延。昨年1月8日、国土交通省はNTTデータの構造計算プログラム「SEIN La CREA(セイン・ラ・クレア、価格160万円、保守料3万円/月)」を同21日に「仮認定」する方針を固め、2月22日、正式に「大臣認定プログラム」として認定された。 

 しかしJSCAは、「国土交通大臣認定を受けた構造計算プログラム(大臣認定プログラム)の実用化により、確認審査期間が使用しない場合と比べて約半分の35日以内で済む」との国交省の見解に疑念を示す意見書を提出。同省に対し、今回の大臣認定プログラムに過大な期待を抱かせないような情報の伝達を求めている。  

 また、現場の建築士の間では、「十数社が市販する構造計算プログラムのなかで、NTTデータのシェアは極端に小さく使い勝手も悪い」との声もあった。実際、構造計算ソフトはユニオンシステム(株)の「SS2」、(株)構造システムの「BUS」、(株)構造ソフトの「Build一貫」の3社が圧倒的なシェアを占めていた。そのうちの1社、構造ソフトは「建築確認申請図書の省略はノーチェックに等しい。審査停滞の解消にはつながらず、粗悪な建物を作り出す恐れがある」と表明。 

 また現場でも、「認定を行なうなら、まずはこの3社のものを対象とすべきではないか。マイナーなプログラムだけを対象とするのはアンフェアで時間と金の浪費。元国営企業1社だけに国が肩入れすることにならないか」という建築士の憤りもあった。 

 このシェアの低いプログラムを異例のスピードで認定した背景には、法改正後、何カ月もの間プログラムの認定が進まないことに業を煮やした建設業界および野党のみならず、与党からも不満の声が上がっていたことがあったようだ。 

 では、シェア上位メーカーの開発状況はというと、大臣認定プログラムの業務方法書の内規が未確定のため、現在も性能評価の審査中であるとするメーカーがほとんど。しかも認定プログラムに不具合があった場合、ペナルティを課せられる恐れもあるが、その点もいまだ判然としない様子。そのため販売は難しく、開発してもレンタル方式になるという話もあり、メーカー側もかなり慎重になっているようだ。(つづく)

【大根田康介】

※当コラムは過去に情報誌『I・B』およびネットI・Bにて書いたものを集約し、加筆修正したものです。

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