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特別取材

この世には、鬼がいる 気づけば金融鬼だらけなのだ(1) 常葉学園大学教授 副島隆彦 氏
特別取材
2009年3月19日 16:36

 この世の中は本当に、人間の皮を被った鬼たちが私たちのまわりを徘徊している怖い世界だ。私は、昨年末までずっと講演会の仕事や大学の仕事に追われて疲れ果てた。売れっ子でよかったね、という話ではない。私は怒っている。この世の中は、本当に鬼たちが「百鬼夜行」しているのだ。

 私は、多くの金融鬼たちを目の前にした。金融詐欺師たち、などというものではない。金融の鬼たちだ。人々から、着ている衣服を騙して剥ぎ取る鬼たちが住む世界だ。 
 講演会で行った先々で、私は、聴衆の中のあちこちに潜んでいる鬼たちの存在に気づいた。私は彼らの姿を目の当たりして、人間のふりをした鬼たちを見つめ、うめき声をあげた。
 金融の鬼たちでも、私、副島隆彦の言論と金融予言はものすごく気になるらしい。何食わぬ顔をして、有名な経済評論家やエコノミストの連中が潜り込んできていた。私の脳はこのことを鋭く察知して頭の中で警報器が鳴り、私にその恐ろしさを知らせてくれる。
 この鬼たちが、この2年間で(その前の、2004年の「景気回復」を囃した時から)どれほどの損害を人々に与えたことだろう。自分たちの粗末な、いや、計略的な金融予測、アドヴァイス(助言)、勧誘を信じて、多くの人たちを食い殺したのだ。金融投資をした人たちのほとんどは、大損をして今も泣いている。
 しかし、ひとりで数千万円も数億円も大損をした自分は、みっともないから他の人たちにはとても言えない。激しい夫婦喧嘩の理由には十分になる。愚か者であり、騙された自分の投資家としての能力のなさ、己の馬鹿さ加減を自ら認めて「腹をくくる」、深く反省する、ということもしない。鬼たちは何食わぬ顔をして今も徘徊している。隙あらばまた襲い掛かってやろうと思っている。
 株(シェア、スットク)と債券(ボンド)と投資信託(ファンド)が、こんなに値崩れするとは誰も思わなかった。自分の投資額は1/3に減ってしまった。そして、それを今も、黙って鬱屈としたまま握りしめている。
 「そのうち景気回復して、下がった値段が元に戻るだろう。それまではじっと待っていよう」と。これは愚かな人間がやることだ。黙ってじっと堪えている。
● ● ●
 鬼のことを、英語でOgreという。このOgre(あるいはアーガー)のことを、日本人はまったく知らない。 
 イギリス国内から発信しているサイトの中には、03年からのイラクでの戦争で生きたまま首を切り落とされる米兵たちやその他の捕虜になった人々が、残酷に撃ち殺される情景の映像をインターネット上で流している。とても正視するに耐えない残酷な映像シーンをたくさん見ることができる。しかし、それが世界基準での言論の自由だ。表現できる限り、すべての表現は一切の規制や統制や差別言語狩りなどの反動勢力の動きを打ち破って、自由であるべきだ。一切の規制を絶対に許さないという人間(人類)の深い決意が重要だ。
 言論の自由、報道の自由、表現の自由というfreedom of expressionあるいはfree speechというものの厳粛な力を、私たちは片時も手放してはならない。悪辣な統制官僚、政治官僚どもに奪い取られてはならない。日本国憲法では、第21条で
  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
  第2項 検閲はこれをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
と厳格に定めている。この最高法律の意味は、日本の政府や公務員や警察は、日本国民の集会、団体づくり、言論の自由、出版の自由、その他一切の表現の自由を絶対に侵害してはならない、という意味だ。日本国憲法は、日本の公務員たちにこのようにきつく、厳しく、命令しているのである。
 この最高法規の命令を破って、日本国民の思想表明、言論、報道の自由などを侵害した公務員は、徹底的に厳しく処罰されなければならない、という内容である。
 言論の自由はどんな被差別民団体や病人の団体、権力者たち、あるいは宗教団体からの統制、自粛、「私たちの心が傷ついた」などという、差別摘発団体のおぞましい鬼たちの攻撃を撃退する。一切の表現は守られなければならない。私たちは、人類の無限の自由のために闘い続ける。
● ● ●
 この英語の鬼の、Ogreは、西洋童話の「ジャックと豆の木」に出てくるあの化け物のことだ。恐ろしい鬼に追いかけられ、ジャックが豆の木につかまってどんどん天にのぼってゆくのをさらに下から追いかけてくる、化け物の、妖怪の巨人の大男のことだ。 
 このオーガーの話を、日本人はよく分かっていない。私たちの背後から襲いかかってくる鬼(怪物)たちのことに何となく感づくが、それを正面から見据えることをしない。できない。
 同時に、国家権力(政治支配者や官僚=高級公務員、裁判官という鬼たちも含む)の鬼たちのことも、私たちは軽視してはならない。恐ろしい国家という暴力装置が、法律という名の、彼らが勝手に作って振り回す刀で、私たちに襲い掛かってくる。私たちは彼らの刀を、自分の素手で受けとめなければならないのだ。文字通り、血だらけの戦いだ。

副島 隆彦【そえじま・たかひこ】氏
1953年5月1日、福岡市生まれ。早稲田大学法学部卒業。銀行員、代々木ゼミナール講師を経て、現在は常葉学園大学教授。政治思想、法制度論、経済分析、社会時事評論などの分野で、評論家として活動。著書に『時代を見通す力』(PHP研究所刊)、『恐慌前夜』(祥文社刊)、『暴走する国家、恐慌化する世界』(佐藤優氏との共著、日本文芸社刊)ほか多数。日米の財界、シンクタンクなどに独自の情報源を持ち、日本人初の「民間人・国家戦略家」として、日本は国家として独自の国家戦略を持つべきだ、と主張している。副島国家戦略研究所(SNSI)主宰。

副島隆彦の「学問道場」
http://www.soejima.to/

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