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特別取材

アトピー性皮膚炎と闘う男の手記(4)
特別取材
2009年4月27日 09:04

アレルギーは女子更衣室と侵入者の関係

 「彼を知り、己を知れば百戦危うからず」孫子先生の言です。まずはアトピーとは何たるかを考えてみます。
 「アトピー性皮膚炎」は、哺乳類にのみ許された病です。というのも、アトピーに関係する血液の成分IgEは哺乳類にしかないからです。そもそもダーウィンの説に従うならば人は魚類、爬虫類から進化して哺乳類になりました。その進化の過程で獲た柔らかい皮膚。これがIgEの生まれた原因といわれています。皮膚が柔らかいためにダニ、ノミなどの寄生虫に侵されやすい。それを排除するための新しい免疫機能としてIgEが生まれたのです。
 IgEというのは免疫グロブリン(たんぱく質)の一つで、細菌よりも大きなモノ、たとえばダニやホコリなど(抗原)に取り付き肥満細胞に指示を出して炎症を起こさせます。その炎症で生命にとって悪い(と体が判断しているもの)を排除しようとする生命維持機能なのです。IgEは偵察兵に例えることができると思います。この偵察兵は一人一個メガホンをもっていまして、敵を発見すると「敵が来たぞ!」と声を出します。それに対応してせん滅部隊が敵を排除するわけです。この偵察兵が例えば一人なら1メガホンの声の大きさ、10人なら10メガホン、100人なら100メガホンの声の大きさになるわけです。
 想像してみてください。女子更衣室で一人の女性(IgE)が着替えをしていたときに男性(アレルゲン、抗原)が一人入ってきた。「キャー!」この程度です。100人女性が着替えているところに1人の男性が入ってきた。…想像もしたくないです。
 これを抗原抗体反応といいまして、それが過剰(先の更衣室の例なら100人の女性が着替えている状態)で人体に悪い影響を与えるものをアレルギーといいます。その症状が鼻に出た場合はアレルギー性鼻炎、喉に出た場合には喘息、皮膚に出た場合にはアトピーとなるといわれています。つまり花粉症とアトピーは親戚みたいなものなのです。
 ちょっと専門的になりますが、アトピーに関係するアレルギーはⅠ型とⅣ型と言われています。前者は即時型、後者は遅延型といわれ、IgEが関係するのは前者、後者はTリンパ球が関係するといわれています。この両者のミクスチャーであるアトピー、あなどりがたい難敵であることは間違いなさそうです。

【柳 茂嘉】

(プロフィール)
柳 茂嘉(やなぎ しげよし)
1975年生まれ。山口大学経済学部卒業。データ・マックス編集部記者を経て、現在フリーライターとして活動中。幼少期よりアトピーを患い、脱ステロイドなどの過酷な治療も経験。より完全な症状コントロールを目指し、体質改善策を模索し続けている。

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