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特別取材

アトピー性皮膚炎と闘う男の手記(2)
特別取材
2009年4月23日 09:52

アトピーは外的な病

 アトピーと戦い続けて30年。色々なことを考えました。
 「これさえなければ徹夜で遊びほうけるのに」。「これさえなければもっと自信が持てるのに」。「これさえなければもっと自由に動けるのに」「これさえなければもっとモテるはずなのに…」などなど。現在、私は健康な方とほとんど変わりがありません。思っていたことが自由にできるようになってきました。一向にモテ度が上がらないのだけが誤算ではありましたけれども。
 なぜこのように「これさえなければ…」と考えてしまうのか。ここは重要なポイントなのですが、アトピーは外的な病気なのです。外的な病気とは、社会性を左右する病気、という意味です。たとえば盲腸(虫垂炎)は内的な病気といえると思います。痛みが主たる悩みの種で、その種は自分にのみ根ざし、他者に計り知ることができません。
 一方でアトピーは外的な病気です。病気が一目で人に分かってしまう。会う相手に何らかの感情を抱かせる、もしくは抱かせているだろうと自分が考える病気なのです。これがきつい。自分としても不快感があるのは当然ですが、相手にも「ひどい」「痛そう」「辛そう」などと思われているのだろうと感じるのが何よりこたえます。特に憐れみの感情を持たれるのは最悪です。「貴様に心配されたら、その瞬間がオレの人生の終着駅じゃ!」と本当に自分に対して情けなさが溢れてきます。これによって人と接することに消極的になります。これが外的な病気であることの弊害です。
 アトピーは症状が上下します。いいときもあれば悪いときもある。いいときがあるがゆえに悪いときの気分の落ち込みようは言葉にならないほどです。ここを健康な方は心得てほしいと思います。「大丈夫?」なんて言ってほしくない。私は過去数回、この一言で心が折れて寝込んだことがあります。それまで気を張って踏ん張っていたものが一気に崩れてしまうのです。
 同病で悩んでいる方には「人に言われる前に寝込んでしまいなさい」と言いたいです(自分はそれができず何度もしくじっていますので恐縮ですが)。悪化している途上は「明日にはよくなるかも」と思い、ついついムリをしがちです。でも大抵ムリを重ねるとさらに悪化してしまうものです。悪くなってきたかも、と、もし自覚することができたならさっさと白旗を揚げてしまうのが良だと思います。
 人は社会とともにあるものです。自分と外界との界面である皮膚の病気、それがアトピーの特徴のひとつだと思います。(つづく)

【柳 茂嘉】

(プロフィール)
柳 茂嘉(やなぎ しげよし)
1975年生まれ。山口大学経済学部卒業。データ・マックス編集部記者を経て、現在フリーライターとして活動中。幼少期よりアトピーを患い、脱ステロイドなどの過酷な治療も経験。より完全な症状コントロールを目指し、体質改善策を模索し続けている。

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