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特別取材

アトピー性皮膚炎と闘う男の手記(3)
特別取材
2009年4月24日 13:32

不快感が何とかなればねぇ

 外的な病であるとともに、やはり病気は病気です。社会性云々など以上に体への負担、苦痛というのが何よりもつらい。このつらさが何とも形容しがたいのです。
「どういう症状なの?」
 悪化し、仕事ができないと連絡したときに、必ず上司に聞かれる質問です。この返答が難しい。痛いのかかゆいのか、何がどうなっているのか分からないのです。見た感じの説明ならできます。炎症が顔面から首にかけて起きて、表皮が薄くなり浸出液がしたたっている、目を開けることもできない。でも、だからどう感じているのかと聞かれると言葉が見つかりません。痛くもかゆくもあり、でもそれ以上に何ともいえない不快感があるのです。水溜りに足を突っ込んでグズグズに濡れた靴と靴下のまま、冬の街を歩くような感じでしょうか。こんな不快感が何とも耐え難いわけです。
 それを作っている要素が、主に2点あります。一つ目は体の苦痛。人によって異なりますが、軽い場合で皮膚の表面に熱を帯びるように赤くなったり発疹が出たりし、重い場合には皮膚の表面が薄くなり(これは医者のよく使う表現で、私個人としては炎症が表皮を焼き、真皮がむき出しになっていると思っています)ジクジクと擦り傷のようになる。時には細菌に感染することもあります。このジクジク感、熱感、掻痒感、痛感というのが何とも不快なのです。さらに体温の上昇が追い討ちをかけます。あまり触れられないですが、風邪をひいたときのように体温が上がります。38度から39度程度発熱し、頭が働かなくなります。さらに動悸が激しくなり、炎症を起こしている箇所にまるで心臓が移動したかのようにドキドキ、ジンジンと痛みを伝えます。
 もう一つは精神的な側面です。肉体的な苦痛が心を極めて不安定にします。もう治まることはないのではないか、この苦痛はいつまで続くのか、そういえばこんなことばかりで自分はなんと不幸な人生を歩んでいるのか、などなど悪いことばかりが頭のなかを占めます。まぁ具合の悪いときなんかに明るく楽しいことが思い浮かぶはずはないのですがね。
 これら「苦痛」が渾然一体となって現れるのです。オーケストラのように苦痛がハーモニーを奏でます。これが「何とも表現できない不快感」となっているのだと思います。この苦痛を完全にコントロールすることができるならば、私は完治したと宣言することができると思います。けれども、目下私はその宣言ができずにおります。というのも、完全なコントロールができていないからです。コントロールの手前、症状を軽減する。ここまでは何とかできているような気がします。この程度で申し訳ないのですが、以下、私の「症状を軽減するために」実践してきたことを述べさせていただきます。(つづく)

【柳 茂嘉】

(プロフィール)
柳 茂嘉(やなぎ しげよし)
1975年生まれ。山口大学経済学部卒業。データ・マックス編集部記者を経て、現在フリーライターとして活動中。幼少期よりアトピーを患い、脱ステロイドなどの過酷な治療も経験。より完全な症状コントロールを目指し、体質改善策を模索し続けている。

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2011年6月24日 07:00
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